$hashikawa's blog


前回の記事に引き続き、河村隆一氏の著書のご紹介です。

特段に秀でているのは、Chapter1の中の「夢をビジネスにしなければいけない」の章と、
Chapter2の中の「ポピュラリティが生まれることを恐れない」という章。

"スタッフがビジネスに変えてくれることに感謝しよう" と喝破し、
モノ創りの本質を鋭く説くこの2節だけでも、是非読んでみて頂きたい。


粗い目のふるいにかけられるインディーズミュージシャンには、
歪んだ美談よりも、こういった実学的なことが必要で有用なはず。

夢の世界の話のようなことが、リアルでメジャラブルに書かれていて、
「ディール」「ナショナルクライアント」「起業家」「エンドユーザー」など、
アーティスト本ではあまり見かけない(?)ような言葉も多く使われています。

※ それでも、氏が高校を退学するクダリなどは、慎重に書かれてはいるけれど、
夢に対する妄信的な姿勢を美徳とするように捉えられかねない記述もあり、注意(?)が必要。


「河村隆一やからやん」という、元も子もないようなツッコミは置いておき、笑
屈折した観念を除外して、フラットな体勢で冷静に読むと、実益的な内容が詰まっています。

ソロでのアルバムセールスは、300万枚を超えて男性ソロアーティスト歴代1位を記録し、
東京ドームでの公演を何度も行い、何十億という巨額を動かしながら音楽業界を果敢に生きる。

長年に渡ってシーンのエッジに立ち続け、ギネスブックにも載るヴォーカリストの、
ピュアな音楽家としての部分と、ビジネス的な視点を併せ持つ神髄を垣間見ることができる1冊です。

※ 具体的な歌唱法や発声時の心がけも書かれており、ヴォーカリストには2度おいしい。笑
※ 付録CDの楽曲に関しては、CDを付けるという制作者の意図を柔軟に汲み取ったものと推測される...。


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記事とは関係ないですが、アーティスト本繋がりということで。
「U2」のVo.ボノのインタビュー本を。
500ページに及び、内容も読み応え抜群です。