1966年の結成以来45年にわたり、ニューヨークの名門ジャズクラブ、
「ヴィレッジ・ヴァンガード」を拠点に活動する「ヴァンガード・ジャズ・オーケストラ」
現在も最前線で活躍するそのグループを率いるリーダー、
ダグラス・パーヴァイアンスによる著書「前に進む力」を読了しました。
自己啓発的に進む内容ですが、組織を統率するリーダーシップ論としての読み応えも充分で、
グラミーも納得の、音楽への献身的な姿勢が読み取れる、豊潤な人生観たっぷりの1冊です。
何より、所謂ビジネスパーソンが書いたものではなく、ダグラス氏はジャズミュージシャン。
瑞々しいトーンで飾ることなく、決して大袈裟に盛ることのない、等身大の仕事術を学べます。
バンドの歴史を守りながらも革新を続ける、目標達成への意思決定や、
リスクを恐れず成長を求めてチャレンジし続けるための精神性などが具体的に記されています。
広い括りで同じ業界であり、取り扱うテーマやコンセプトが音楽になるので、
感情をすり合わせやすく、理解の幅を拡げながら読み進むことができます。
「音楽という、創造性に富んだ無形の芸術であっても、
ビジネス上の判断を迫られることはしょっちゅうある。」
「組織には使命があり、それ自体がボス。」
老舗の大所帯を牽引し、音楽に於いて多方面で活動されてきた著者だからこその視点が、
音楽に対するただの甘えではない、真の忠誠心を改めて深く説いてくれます。
誰よりもピュアだからこそ、誰よりもクールであり、ドライであり、シビア。
芸術とビジネスの狭間で、創造性のバランスを取るヒントが散りばめられた珠玉の1冊です。
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vol.1に引き続き参加させて頂いた「カナメタル vol.2」の帰路。
それにしても、ここ最近の京橋率の高さ「凄っ」