台風12号が猛威を振るい、その爪痕は東北の被災地を思わせるような惨状で深く残っています。
今も孤立した集落が多くあり、食料が枯渇した中で救助を待つ厳しい状況となっているようです。
震災被害と同様に、迅速で適確な避難が難しいお年寄りが多く犠牲となっており、
死者・行方不明者は100人を超え、日本が誇る数々の世界遺産にも被害が及んでいます。
台風などの風雨による災害は、日常で経験している気象状況の延長線上にあるため、
避難への判断が遅れる傾向が強く、避難勧告や指示が出されるのも遅くなることが多い。
5千人を超える死者・行方不明者を出し、戦後、日本に最大の被害を与えた伊勢湾台風など、
数千人以上の犠牲者を出した台風は1950年代以前に集中しています。
その後、気象衛星などを使った予報技術を急速に発展させ、
被害を最小限にくい止めてきた現代も、やはり根絶するには至っていない。
それでも、大地が揺らぎ、海がうねり、空が荒れるのが、生きたほし地球です。
先日の天候が嘘のように、心地良い風や穏やかに澄んだ空も合わせ持つこの惑星との共存が不可欠。
まるで何事も無かったかのように、白々しくも美しく広がる空に、
締めつけるような万感が胸に迫り、奇しくも脈打つ自然の叡智を感じます。
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陸・海・空のその雄大さは、幾度の繁栄と破滅を見てきた、
輪廻の象徴のようで、支配だなんて余りある…。