ずっと今まで「未来」という視線をあてられていた2010年も無事にその役目を終え、
「過去」へと姿を変えた記憶となり、すっかり過ぎ去ろうとしています。
「未来」から「記憶」へと変化する、そんな時間の連続性の中にあって、
無条件に失い続ける時間という資産と引き換えに、多くの経験を得ることができました。
「他人と比較して、他人が自分より優れていたとしても、それは恥ではない。
しかし、去年の自分より今年の自分が優れていないのは立派な恥だ」
(イギリスの探検家 ラポック)
去年の自分に胸を張れる、充実した1年を送ることができたのは間違いありません。
しかし、人間関係の軋轢に悩まされ、こんなにも難しいものかと苦悩した日々でもありました。
構築するのは極めて困難なのに対し、崩壊が容易過ぎる。
現代社会を生きるうえで、自適で超然的な選択を続けることはもはや不可能に近く、
紐帯の本質の複雑性に悩みながら、様々に生じる摩擦は避けられないのだなと改めて実感しました。
そんな中でも、不安を払拭した勇敢なデシジョンメイキングが奏功し、
素晴らしい出逢いや経験に結び付いたケースももちろん数多くありました。
草創期を過ぎ、結晶化したイノベーティブを継続して産み出すには、ただの蛮勇ではない、
信念を持った勇気が必要になり、そしてその勇気を産み出すのが、まさに「覚悟」なのでしょう。
その揺るぎない信念を持った覚悟の存在があったからこそ耐えることができた、
結果として多くの学びを与えてくれた試練の多い1年だったような気もします。
そして、そんな時間の経過に関してあれこれと思惟を巡らすことができる年の結びは、
当たり前に訪れているわけではないということに確かな幸せを感じ取り、
恵まれ、満たされた中で2011年という宝箱を開けることができる幸福に深く感謝します。
大丈夫、全ては自分の心の中にある…。