ケモ・ブレインではないのだけれど、最近物忘れがひどい。冷蔵庫を開けて何を取り出したいのかわからなくなることがしょっちゅう。麦茶を出したくても、1回は違う扉を開ける。野菜ジュースを飲みたいのに麦茶を注いでしまう。食事の時にお刺身にワサビとショウガをつけたのに、今日はショウガがついてないと言って探す。電子レンジには温め終わった食べ物や飲み物がそのままに。部屋に何か取りに行って、何を取りにきたのか忘れ、もう一度戻る。買い物に出て、出る前に家にある物を確認したはずなのに、自信がなくなって、余分に買ってしまう。それにやたらと色々なところにぶつかる。ちょっと最近、うわの空になっているのかもしれない。
骨転移は背骨を中心に頭蓋骨から膝あたりまで体中に広がっていて骨折の危険があるので、あちこちにぶつからないように常日頃注意していないといけない。骨シンチの画像は真っ黒に写り、年々増悪している。乳癌の治療法であるホルモン療法や抗癌剤治療も、胸のしこりや肝臓の腫瘍に対してはある程度効果を上げてくれたように思うが、骨転移にはあまり目立った効果が表れないように思われる。骨転移の治療薬ゾメタの点滴で、新しく骨の細胞が出来てきている様子がレントゲンに写し出されてちょっとホッとしているが、悪くなるスピードをどれだけ抑えてくれるのか、正直わからない。他に決め手になる薬もないので、続けていくしかない。正常な骨は骨芽細胞によって新しい骨が作られ、破骨細胞によって古い骨が溶かされ、両者がバランスよく働いて骨が形成されているが、骨転移では癌細胞が骨の中に住み着き、破骨細胞を利用してどんどん骨を溶かし、病巣を広げていってしまう。逆に骨芽細胞が異常に働き、骨を形成する造骨型というタイプもあるらしい。ゾメタは破骨細胞の働きを抑え、骨を守り、高骨からカルシウムが溶け出してカルシウム血症になるのを抑えてくれる働きがある。副作用としては発熱や倦怠感、抜歯した時に顎骨壊死する、腎臓に負担をかけるなどがあるが、私の場合、目立った副作用はなかった。ただ腎機能が落ちている為、今後は1回の量を減らさないといけないかもしれない。
私の場合、骨転移は溶骨性で、骨が溶けて癌の腫瘍が広がり、骨粗鬆症 のように骨がもろくなっている。以前、ちょっと咳き込んだだけで肋骨を2ヶ所骨折してしまった。最近、腰以外にも、大腿骨や骨盤も痛むので、強くぶつけたり転んだりして骨折しないように気をつけないといけない。これ以上症状が進んだら放射線治療という手もあるが、すでに腰椎と胸椎には照射していて、同じところに2度かけることはできないそうだ。骨盤や大腿骨にはかけられるかも。
最後の抗癌剤治療(CEF療法)から7ヶ月が経ち、最近やっと味覚障害が治り、食べ物がおいしく感じられるようになったきた。少し前まで何もかも甘く感じられ、味の濃いもの、はっきりとした味のものしかわからなかった。薄い出汁の味など全然わからなかった。食欲もなかった。食事の時間が苦痛でしかたなかった。今でもごはんは1口分くらいしか食べられないが、おかずは何でも食べられるようになり、食事の量も増えた。乳癌に良いとされる食べ物、大豆製品や沢山の野菜、海草類をなるべく摂りいれていきたい。今のところ晩ご飯の時だけだけど・・・・。おいしく食べられるというのは幸せなことだとつくづく思う。
今日の天使からのメッセージは『大天使ラファエル』『あなたの隣人に対してなすべき事をすべて行なってください。あなたはいつも見守られています。』だった。