使ってないバネがこんなにも...
電動ガンのスプリング選びは面倒くさい
電動ガン用のスプリングといっても色んな物が売っているので、希望の初速にするにはどれを買えばいいのか悩む。
M○○とかの表記も一体何の数値だよって感じだし、同じM○○表記でもメーカーによって硬さは全然違うし...。
最終的には、実際に使って確認してみるしかないと思う。
何故なら、同じスプリングを使ったとしてもエアガンの種類・セッティング・状態・個体差などの前提条件が変わると同じ初速にはならないから。
色んな意見や好みはあると思うが、自分なりのやり方を書いてみようと思う。
選び方
・商品の謳い文句を信じる
マルイハイサイクル用とか次世代用、みたいに使うエアガンのターゲットを絞っている商品に関しては概ねこれでいいんじゃないかなと思う。
・他の人のレビューやカスタム例を参考にする
その人が何のエアガンに使っているのか、どんなセッティングにしているのかをよく確認しないと参考にならないし、自分の銃がその通りになるとは限らない。
と言いつつ、個人的に信用できるなと思う人の例はめちゃくちゃ参考にしている。
・自分でデータを取る、製品のスペックを見て考える
自分のエアガンで測った初速や、スプリングの諸元(圧縮時何kgf、何Nとかのある程度具体的な数値)を元にスプリングを選ぶ。
SPARKやG.A.Wなど自社製品のデータを公開しているメーカーもあるし、個人で測定したデータを公開している方もいたりする。非常にありがたい。
計算してスプリングを選んでみよう
※今回は便宜上、スプリングを縮めたときの荷重を硬さと呼んでいる。用語としては正しくないと思うが感覚的に分かりやすいので...(正確にはバネの硬さ=バネレートのこと)
また、以下の内容では単に荷重だけに着目して考えているが、自由長や太さ、ピッチなど他の要素も初速に影響するのかもしれない。僕はそのあたりを試したことがないのでわからないが。
・偉大なるベンチマーク、東京マルイ
マルイのスタンダード電動ガンは、極端にインナーバレルが短い機種(MP5Kなど)でなければ初速が0.2gで85~90m/sくらい出ているので、ここが一つの目安になるかなと思う。
マルイ純正より硬いスプリングを入れているのに初速が出ない場合は、エア容量のバランスが取れていなかったり、何かを間違えている可能性がある、とも言える。
・スプリングの硬さを測ろう
体重計の上でピストンでスプリングを押すなどして、スプリング圧縮時の荷重を測る。このデータを取っておくとスプリングを選びやすくなる。
ちなみに、マルイ純正のスタンダード電動ガン用ピストンASSYを体重計の上で縮めるとだいたい3.8kgとかになる。
※自分はピストンを手でプルプル震えながら押さえてやってるので正確さは微妙だと思う笑。いい感じの治具とかあればいいなとは思ってる。
・スプリングの硬さをざっくり計算してみよう
ではどのくらいの硬さにすれば目標となる初速になるだろうか。
バネでピストンを押して空気を圧縮するタイプのエアガンは、バネの持ってるエネルギーでBB弾を飛ばすわけで、そのあたりを考えれば良いのでは?と思った。
というわけで、合ってるかは知らないけど思いついたやり方がこちら。
手順
①現状の初速を測る
②現状の初速と目標となる初速のジュール値を換算表で調べ、その比を計算する
計算式は、(目標初速のジュール値)÷(現状初速のジュール値)
③今入っているスプリングの荷重に②で計算した比を掛ける
例)4.0kgfのスプリングを使い、初速が85m/s(0.2g)のエアガンがあるとする。これを90m/sにしたい。
①85m/s。
②0.2gで85m/sは0.72J、90m/sは0.81J。
0.81÷0.72=1.125
③4.0kgf×1.125=4.5kgf
となり、4.5kgfのスプリングを入れればよい。
※有効数字の桁数とかがガバい点はご愛嬌。頭悪いもんで...
バッチリ計算通りにはならないだろうけど、それらしい数値は出ると思う。
・調整方法(スプリングのカットは最終手段)
計算した出た数値(荷重)と同じになるようなスプリングを入れる、もしくはスペーサーを入れたり抜いたりする。
※スペーサーを入れる場合は、ピストンの底突きや噛み込みに注意する。
初速を下げたい場合にスプリングをカットするという方法もあるにはあるが、スプリングを切った後の処理が難しいので僕は基本やらない。
切りっぱなしだとスプリングの座りが悪いため、最悪スプリングガイドから外れてピストンに噛み込んでしまう。
スプリング端面の簡略図
仕方なくカットする場合はこのあたりに気をつけて...
といっても処理の手間を考えたらスプリングを変えたほうが早いと思う。
・補足
電動ガンの仕様によってスプリングの圧縮量は変わってくるので、そのあたりは場合に応じて考える必要がありそう。
例)
・ギアの種類による違い(SSG、DSG、セクターカットの枚数)
・スプリングのかさ上げ量の違い(スプリングガイドやピストン内のベアリング・おもりの有無)
ハイサイクル等、セクターカットが必要な仕様を頻繁に組むとかであれば、荷重計測時に条件を合わせて(縮める量を考えて)データを取っておくといいのかも知れない。
個人的な好み
基本はあまり硬くない等ピッチのスプリングがいいなと思っている。
・セクターカットをしない場合はマルイ純正よりやや硬い程度で事足りる。
・不等ピッチのメリットがよくわからないのと、粗悪な物や極端にピッチを変えている物だと破断することがある。
というのが理由。といっても強いこだわりがあるわけではない。
名指しで言えば、ZC LeopardかSPARK(Airsoft97)のスプリングを買うことが多い。
・ZC Leopard
長所:安い、極端に硬くない、硬さのラインナップが豊富、等ピッチがどの硬さにも設定されている。
短所:端面処理が甘いので自分でやらないといけない。(毎回端面をヤスリで平たくしている。ベルトサンダーとかベンチグラインダーが欲しくなる...)
・SPARK(Airsoft97)
長所:データが公開されている(数値を見て選びやすい)、微調整がしやすい(普通のセッティングで使える範囲での硬さの選択肢が豊富)、そこそこ安い。
短所:硬さによっては不等ピッチしかない。(気にするほどでもないと思うが)
金と時間が無限ならいろんなのを買って試してみたい(笑)。

