舛添厚労大臣の社会保障費の圧縮見直しに騙されるな! | 権力とマイノリティ

舛添厚労大臣の社会保障費の圧縮見直しに騙されるな!

 小泉「構造改革」の爪痕ともいえる医療崩壊や福祉崩壊が、さまざまな形で顕在化している。過酷な勤務を強いられる産科医や小児科医たちの実態に加え、医師不足などによって起こった都立墨東病院の救急医療問題は、大きなニュースとして取り上げられた。また「後期高齢者医療制度」は、相変わらず現場での混乱を招いている。
 そして、福祉分野では「障害者自立支援法」の施行によって、障害者が生きていくための福祉サービスを「益」として「応益負担」を強いる悪法が廃止されないままだ。そのため、当事者たちは今月末に全国で一斉に訴訟を起こす。

■参考サイト
障害者自立支援法訴訟の勝利をめざす会
http://www.normanet.ne.jp/~ictjd/suit/
「障害者自立支援法」は、「障害」があることによる社会的な支援を「益」であるとし、必要なサービスに「応益」負担を強制します。「障害があることは個人の責任」なんでしょうか。地域で普通にくらしたい! はたらきたい! 社会に参加したい! そんなささやかな願いや希望をかなえるのがめざすべき方向であり、それを実現させる法律であるべきではないでしょうか。
 私たちは、この自立支援法の根幹の考え方をどうしても許せません。日本国憲法、障害者権利条約に反するこの法律を司法の場に訴えます。 
 
■白紙に戻して新たな医療・福祉制度の構築を
 舛添厚労大臣は、小泉政権から続く毎年2200億円の社会保険費削減を見直すと、発言している。小泉「構造改革」における医療「制度改革」や、福祉切り捨て政策をすべてそれ以前の施策であった法律に、一度戻すことが必要だ。そうした抜本的なことをしなければ、単なる見直しでは何の解決にもならない。一度白紙に戻すことから始めて、再度、どのような医療・福祉制度を新たに構築していかなければならない。
 すぐに「財源がない」というセリフが、政府・与党や官僚たちの口から出るが、にわかに信じたい。日本は100兆円およぶ外貨保有をしており、その中に米国債が相当入っている。それも小泉政権時代に米国債は売らないという約束までしたというだから、たまったものではない。それだけの余裕があるなら、血税を自国民のために正しく使うべきではないか。

●朝日新聞 10月27日
【「社会保障費の圧縮見直しを」 厚労相、妊婦死亡受け】
http://www.asahi.com/health/news/TKY200810270419.html

 脳出血をおこした東京都内の妊婦が8病院に受け入れを断られて死亡した問題に関連し、舛添厚生労働相は27日、「社会保障費の圧縮は限界。大きく方針転換すべきだ」と述べた。小泉政権時代から続く年2200億円抑制策の見直しを求め、医師不足対策などの予算確保に力を入れる考えだ。

 事件を受けて地元医師会との意見交換後、都内で記者団に答えた。社会保障費圧縮が妊婦死亡問題の「背景にある」とし、「今回のようなことが二度と起きないような対策を立てていきたい」と主張。
 抑制策見直しに伴って必要となる財源について、舛添氏は増税が検討されているたばこ税の増収分や、社会保障・成長力強化などに配分される3300億円の重点化枠(重要課題推進枠)によって、「2200億円はカバーできる」と話した。
 福田政権時代の7月に、09年度予算の概算要求基準(シーリング)で2200億円抑制策の継続が決まった際も、舛添氏は難色を示している。麻生首相も就任後、「とにかく切ればいいというのは難しくなっているなとは思う」と国会で答弁している。