徒然なるままに、沢田研二日記『サムライ』&『カサブランカ・ダンディ』 | 権力とマイノリティ

徒然なるままに、沢田研二日記『サムライ』&『カサブランカ・ダンディ』

サムライ 思い切り気障な人生


サムライ
作詞・阿久悠 作曲・大野克夫
1978(昭和53)年2月発売。年間ベスト10の4位など大ヒット。77年に「勝手にしやがれ」でレコード大賞受賞の翌年、阿久悠と大野克夫のコンビでアルバム「思い切り気障(キザ)な人生」を制作。サムライはその中の一曲。

片手にピストル 心に花束
唇に火の酒 背中に人生を

ありがとう ジェニー お前はいい女だった
はんぱなワインより酔わせてくれたよ
だけど ジェニー あばよ ジェニー
俺は行かなくちゃいけないんだよ


 阿久悠は著書で、サムライについてこう述べる。
「アルバムのテーマは気障であったが、軽薄なばかりにスマートな男は一つもなく、ぼくが書いた気障はやせがまんということで、損を承知で、馬鹿を覚悟で、痛みをこらえて、やせがまんを押し通すのが、ぼく流の気障の解釈であったようである」

 サムライといえば、沢田研二の衣装にあったハーケンクロイツ(右卍のナチスドイツの紋章)が物議を醸し出し、卍がXに変わったことを思い出す。現在、ウェッブ上で見られる映像はXもなく、シースルーなどの衣装である。
 あとから、右卍をニコニコ動画とユーチューブでも発見!
 卍は世の東西を問わず幸福のシンボルとして用いられていたが、ナチスが紋章としたことで、ナチスの代名詞になった。ハーケンクロイツは、現在ネオナチによって使用されている。しかし、ドイツではナチスの戦争犯罪の反省から、ハーケンクロイツなどを公での展示や使用をしていないという。

 以下、ユーチューブの映像より。

  

カサブランカ・ダンディ

カサブランカ・ダンディ
作詞・阿久悠 作曲・大野克夫
1979(昭和54)年2月発売。レコード大賞金賞受賞。

ききわけのない女の頬を
一つ二つはりたおして
背中を向けて煙草をすえば
それで何もいうことはない

ボギー ボギー
あんたの時代はよかった
男がピカピカのキザでいられた


 阿久悠はダンディズムについて、こういう。
「要するに歌の中のタバコというのは、男のカッコ付けの小道具として重要であった」
「タバコとか酒とかの小道具に助けられないピカピカのキザというものは、いつの時代でも必要で、男でも女でも、心の内なる光り物は見つけなければならないであろう。そう、個々の光り物である」

 カサブランカ・ダンディが「ザ・ベストテン」などで歌われたとき、ジュリーは小瓶のウイスキーを口に含み、霧を飛ばすというパフォーマンスをやってのけた。これまたいろいろネットで、当時の映像を探しているのだが、意外と少ない。
 ニコニコ動画で「ザ・ベストテン」の録画がアップされており、久米宏の「ウイスキーは本物で、外国に行って来たときに買ってきたものだそうです」なんていうナレーションが流れる。ステージのセットもすごい派手。紅白歌合戦の映像は、NHKということで、控え目な霧吹きだった。

カサブランカ・ダンディ
 歌謡曲・黄金時代のジュリーは、歌とともに派手なメイクや衣装などのビジュアルと一緒に、テレビを通じてお茶の間に現れた。当時テレビを見ていた人なら、ヒット曲は聞けばすぐに思い出す。
 阿久悠が作詞する前は、安井かずみの詞で「危険なふたり」「追憶」。あと山上路夫の詞「許されない愛」などがヒットした。ちなみに、これらのジュリーの曲をCDで聴くとすれば、「沢田研二 ROYAL STRAIGHT FLUSH」(オリジナル1979年)なの(^・^)


 以下のユーチューブは、1989年の沢田研二の「カサブランカ・ダンディ」

 

◇「夜のヒットスタジオ」でサムライを歌うジュリー
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1115378

◇「ザ・ベストテン」のカサブランカ・ダンディのウイスキー霧吹きシーン
http://www.nicovideo.jp/watch/sm802923