小泉首相やっと加藤紘一氏の実家放火について言及、なんとマスコミ批判を展開 | 権力とマイノリティ

小泉首相やっと加藤紘一氏の実家放火について言及、なんとマスコミ批判を展開

■かつての盟友YKK
 加藤紘一氏といえば、元自民党幹事長であり、YKKと命名された小泉首相のかつての同士ではなかったのか。そりぁ、政治的に路線の違いもあり、袂を分かったのでしょうが、それでも昔の盟友に対するテロ行為に対して、今ごろになってやっとメディアに対していわゆる「正論」を言及した。あまりにも友だちがいがない、というものでは?
 犯人が逮捕されたが、全国紙では右翼団体の名称が出ていないが、地方紙には「大日本同胞社」とある。どうも、共同通信の配信記事は、団体名が特定されている。さきほど、グーニュースで確認したら、やはり共同通信の記事だ。

■新聞記者の質問にトンチンカンなお言葉
 記者団が「首相の靖国参拝がナショナリズムをあおっているとは考えないか」と質問したのに対し、「全くそれはない」と強調。「あおりたがる勢力があるのは事実ですね。マスコミなども、なぜこれだけ常に靖国問題を取り上げるのか、よく考えた方がいい。よその国からあおり立てられ、また、よその国をあおり立てるような報道は戒められたらよろしいのではないか」とメディアを批判したというから、ホント呆れちゃいますね。
 小泉首相の靖国参拝は、日本のアジアに対する侵略戦争の問題について、未だにきちんと責任を取っていないことに対して、中国や韓国などアジア諸国が警鐘を鳴らしているわけです。アジアの一員として日本が、中国や韓国、ロシアなどとの外交関係をきちんとつくれないなんて、どうみてもおかしいではありませんか。

■「勝ち馬」になびく自民党議員たち
 周辺の国々を全部敵に回して、米国にのみ従・隷属していれば、日本の人びとは「幸福」になれるんですか? このままでは、日本は世界の「孤児」になるのは目に見えています。
 報道を見ていると、勝ち馬に乗れとばかりに、みんな自民党議員は、安部支持になびいているようです。しかし、安部晋三総理なんて、ゴメン被りたい。「小泉の方がまし?」そんな声もあるぐらいだ。小泉首相に決まったあと「森首相の方が、まだましだった・・・」そんな声もありましたよねぇ。

●「加藤紘一オフィシャルサイト」平成18年8月23日より引用

   加藤紘一
*事件から1週間が経って
 自宅全焼という事件が起きてから、1週間が経ちました。犯人に対する怒りはもちろん強いのですが、少し客観的に今回の事件を見る余裕も生まれてきたように思います。
 犯人は65歳、自分と似たような年齢でした。また、どうも母が散歩に出かけたのを見届けてから、ガソリンを撒いて火をつけたのではないかという風に思える部分もあり、本人に対する憎しみの感情に向き合うというよりは、どうしてこんなことをする人が生まれてきたのか、何が彼を追い込んだのか、ということを考え始めています。
 たぶん、彼もいろんな意味での閉塞感があったでしょう。割腹自殺を図った直前、実家の近所にある食堂で最高の品—1300円の天丼—を1時間かけて食べています。そのあとにはポケットに500円しかありませんでした。そして、車の助手席には、雑誌『SAPIO』が転がっていたといいます。

 若者がオウム真理教に引っ張られてしまったり、“セカチュー”(『世界の中心で、愛をさけぶ』)が売れているとなるとまたたく間に320万部のヒットとなる現象が起こる。韓流ブームというと、おばさまたちは一斉に「ヨン様」になるし、小泉劇場に酔うし、政治家が隣国に対して強い言葉を言えば、一斉にそれに流れる。少し心配な世の中になってきたと感じています。
 今、我々が立っている社会の土台が、もしかしたら0.8度くらい、ちょっと下り坂へと傾き始めているのかもしれません。ほんの少しですから、誰も気づきませんが。戦前、日本社会は少し下り坂に向かっていました。それを誰も気づかないまま、精一杯対応しているうちに、だんだん加速していってしまった。スピードが出てしまえば、誰もそれを止められません。ひとつ方向にわーっと皆が動くから、それと逆のことを言う人間が自由にものを言えなくなる。自由な意見、活発な発信ができなくなった社会のなかで、過去の日本は大きな間違いを犯していったのです。
 みなさまからは、本当に多くの激励をいただきました。これを励みに、そしてこの事件が教えてくれた日本の現状をしっかりと見据えて、これからも一生懸命に考え、未来のヴィジョンを描いていきたいと思います。ぜひ、みなさんのご意見もお聞かせください。

●朝日新聞 08月28日11時41分
【首相、暴力での言論封殺を批判 加藤氏の事件で初言及】
http://www.asahi.com/politics/update/0828/002.html
 小泉首相は28日朝、首相の靖国神社参拝を批判した加藤紘一元自民党幹事長の実家が右翼団体幹部に放火された疑いが強まっていることに関し、「暴力で言論を封ずるのは決して許されることではない。こういう点については厳に我々も注意しなければならない。戒めていかなければならない問題だ」と語った。15日に起きた事件について首相が言及したのは初めてで、首相公邸前で記者団の質問に答えた。

 一方で首相は、記者団が「首相の靖国参拝がナショナリズムをあおっているとは考えないか」と質問したのに対し、「全くそれはない」と強調。「あおりたがる勢力があるのは事実ですね。マスコミなども、なぜこれだけ常に靖国問題を取り上げるのか、よく考えた方がいい。よその国からあおり立てられ、また、よその国をあおり立てるような報道は戒められたらよろしいのではないか」とメディアを批判した。

●朝日新聞 08月29日16時00分
【右翼団体幹部を逮捕 加藤氏実家の放火事件】
http://www.asahi.com/national/update/0829/TKY200608290250.html
 終戦記念日に山形県にある加藤紘一・自民党元幹事長の実家と事務所が全焼した事件で、山形県警は29日、現場で腹部を切って倒れていた東京都新宿区歌舞伎町2丁目、右翼団体幹部堀米正広容疑者(65)を現住建造物等放火の疑いで逮捕した。
 火災が終戦記念日に起きたうえ、加藤氏が小泉首相の靖国神社参拝などをめぐって批判的な発言を繰り返していたことから、県警は思想的な背景が事件につながった可能性もあるとみて、詳しい動機を追及する。

●北海道新聞 08/29 16:21
【放火容疑で右翼構成員逮捕 加藤議員の実家全焼火災】
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20060829&j=0022&k=200608297227  
 山形県鶴岡市の元自民党幹事長加藤紘一衆院議員の実家と事務所が15日に全焼した火災で、鶴岡署は29日、放火などの疑いで右翼団体「大日本同胞社」の構成員堀米正広容疑者(65)=東京都新宿区歌舞伎町=を逮捕した。
 加藤議員が小泉純一郎首相の靖国神社参拝を批判していることから、鶴岡署は動機や思想的背景を追及する。
 調べでは、堀米容疑者は15日午後5時50分ごろ、山形県鶴岡市大東町の加藤議員の実家兼事務所に侵入し、放火して全焼させた疑い。
 堀米容疑者は加藤議員の実家の室内で割腹自殺を図ったとみられ、火災直後、敷地内で腹部から血を流して倒れており、病院で手当てを受けていた。