「医療制度改革法案」自民党内で内紛? 新聞論調の違い | 権力とマイノリティ

「医療制度改革法案」自民党内で内紛? 新聞論調の違い

■「ご懐妊」より「医療制度改革法案」のニュース
 ニュースは「紀子さまご懐妊」で「皇室典範改正に慎重論」なんていう論調ばかりが目立つ。
 が、わたしは断然、高齢者の医療費負担増など、さまざまな問題・課題をはらんだ「医療制度改革法案」ニュースの方が大変に気になる。
  以前、このブログで、以下のような記事をアップしている。
「経済財政諮問会議」によって仕組まれている医療「構造改革」
<http://ameblo.jp/t-garasu/entry-10005567241.html>
「医療改革構造試案」は医療の「市場原理」導入へ
<http://ameblo.jp/t-garasu/page-2.html>

 今国会で「医療制度改革法案」が上程されることになっているので、その行方が気になっていた。最近、1月18日に開かれた経済財政諮問会議で、医療制度改革が議事に上がっていたので、ホームページで議事録要旨と厚労省提出の資料をチェックしていた。
 そしたら、次のようなニュースである。ネットで報道をチェックしたのだが、読売新聞と朝日新聞の論調の違いを検証してみよう。最近、テレビで「ジャーナリスト宣言」というCMをしている朝日新聞から引用してみよう。

蛇足  朝日新聞社御中  「ジャーナリスト宣言」というからには、ぜひその神髄をご披露しただければ幸いです。 元朝日新聞読者より。


●朝日新聞  2月7日11時19分
【医療制度改革法案、自民部会が了承 療養病床削減も決着】
http://www.asahi.com/life/update/0207/007.html
自民党の厚生労働部会と医療、介護両委員会の合同会議は7日、高齢者の負担増や新たな高齢者医療制度の創設などを盛り込んだ医療制度改革関連法案の要綱を了承した。党内から反発が出ていた長期入院者のための療養病床削減案については、患者の受け皿となる介護施設のあり方などについて検討規定を設けることで決着した。一方、医師不足対策としてへき地での勤務を開業の条件にする案は、与党や医療関係者らの反発に配慮して見送りになった。同日午前の党政審、総務会を経て10日に閣議決定され、国会に提出される見通し。(中略)
「医師不足は危機に面しており、大きな意味がある」「医師の社会的任務として経験も必要」などと前向きにとらえる意見の一方で、「やる気のない人に行かせても、根本の解決にならない」「臨床研修の中身を充実させることで解決が可能な部分がある」などの意見が出た。与党からも、「職業の自由選択を縛りかねない」などの批判が出たため、法案への盛り込みは見送られた。

■与党・自民党内の内紛を報道する読売新聞
  次は、保守的と見られる読売新聞だが、医療・福祉政策については、取材記者の層の厚さを思い知らされる。それゆえ、社会保障制度に関しては、読売新聞や産経新聞の報道が要チェックであると、つねづね感じている次第である。

●読売新聞   2月7日23時38分
【医療制度改革関連法案、論議紛糾も国会提出了承ノ自民】
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060207ia22.htm
自民党は7日、高齢者医療などを抜本的に見直す医療制度改革関連法案の今国会提出を了承した。ただ、法案に盛り込まれた、慢性疾患の高齢者が長期入院に利用する「療養病床」の削減に、「厚生労働族」と呼ばれる関係議員の多くや衆院の新人議員が反対し、党内論議は紛糾した。(中略)療養病床の入院患者の約半数は、実際には医療がほとんど必要ない「社会的入院」だとされる。法案は、こうした「冗漫な医療」(丹羽雄哉・党社会保障制度調査会長)を排除し、医療費の削減を目指すものだ。(中略)
しかし、自民党内では療養病床削減への異論が相次いだ。7日午前、党本部で開かれた厚生労働部会と社会保障制度調査会の合同会合では、衆院新人がつくる「83会」の飯島夕雁(ゆかり)氏が法案了承を求める執行部にかみついた。
83会の他のメンバーや、木村義雄・元厚労副大臣、武見敬三参院議員らも「長期入院の高齢者を追い出すことになる」「都会では病床が足りない状態」と同調。新人議員とベテランの厚労関係議員が「共闘」して法案に反対した。
これに対し、丹羽氏は、「少子高齢化社会が進展する中で、療養病床の再編は医療費適正化の「1丁目1番地」の改革だ。療養病床に代わる受け皿は真剣に検討する」と、法案への理解を求めた。大村秀章厚労部会長も「ベッド数が減るわけではなく、ベッドの性格が変わるだけだ」と強調した。最後は「こんな決め方は許せない」などの怒号が飛び交う中、大村部会長への一任をかろうじて取り付け、その後の総務会で法案は正式に了承された。

■「1丁目1番地」ってなに?   国会での論戦に期待!
  いわゆる厚生族と呼ばれる「日本医師会」の族議員たちは、医療「構造改革」に対しての、「抵抗勢力」であったのだか、9・11総選挙の小泉チルドレン&シスターズなどの圧勝に対して、抵抗勢力であることを誇示できなくなっていたようだ。 何やってもムダだ、という「あきらめムード」が漂っていたのでしょうか?
  国会の衆参両院での厚生労働委員会では、与野党問わず、この国の医療制度の行方について、真摯な議論を望みたい。わたしたち国民は、国会での論戦を注視している、そう申し上げておく。