久しぶりの塩野先生本です
楽しみに読んでまして、まだ前半部分です。舞台は中世ヨーロッパ。地中海に浮かぶロードス島は、聖ヨハネ騎士団の本拠地でした。当時ロードス島は、東地中海の航路としての要所でした。
元々十字軍以降、この騎士団はエルサレムに拠点を置いていましたが、イスラム教勢力であるオスマントルコに追い出されてしまい、紆余曲折を経て同島に落ち着いたそうです。
しかし、聖ヨハネ騎士団は島付近を通るイスラムの船を襲撃するといった海賊行為も働いていたようです。それがイスラム船で奴隷として漕ぎ手だったキリスト教信者を解放する大義名分があるとはいえ、騎士団のあり方には疑問を感じました。
まあそもそも宗教、つまりはものの考え方で争うことからして人間の業だったと言わざるを得ないですね。現代でさえ解決されていない問題です。
そんなわけで、イスラム側から見れば、海賊たる聖ヨハネ騎士団の存在は悪魔的なものでした。トルコはこのロードス島を攻めることになります。西暦1522年のことだったそうです。