昔はヤクザ映画というと定番の話ではありましたが、今はヤクザを題材にした様々な表現方法があって、例えば昨年の『ヤクザと家族 The Family』は現代的なリアリティの中でもがくヤクザという人間を描いていたり、今週末に公開予定の『ヘルドッグス』は岡田准一を主軸としたアクションものなんかだと思います。そして今作で言えば、宣伝通りのクライムエンターテイメントで、元ヤクザが現ヤクザの金を奪うというもの。そこには大森立嗣監督の若者を中心とした人間表現があったりして、深みもしっかり作ってあるのが面白いと思います。

エンターテイメントとしての演出、とくに音楽面においては最初に登場するフォードのサンダーバードにお似合いのソウルから始まって、全体を通してノリの良さみたいなのが事件とその合間の時間とのメリハリになっていて楽しめました。ただ、エンディング曲のボビー・ウーマックの『California Dreamin'』は映画のエンディングとしてはチョットやりすぎている感もあって、そこも含めてバカバカしいクソったれな世界を蹴飛ばしている気もしました。