人の出自に関わる差別、国籍だったり親だったり、そういったコトによって受ける差別からどうにか逃げ出したい人々を追った話なのだと思います。人は生まれで全てが決まるのではなく、その後の人生の歩み方で決まるべきだと社会では言われてはいるものの、それでも未だにそういった差別は意識無意識関わらずにおきているモノだ、と。
物語の冒頭も、谷口大祐を名乗る男が宮崎の田舎に現れたトコロから始まり、彼も影では他所者として煙たがられながらも、彼自身の努力で地位を得て順風満帆に思わせる展開が、今後の彼を巡る人々の思想感情を浮き彫りにしていっています。彼が名前を変えて別の人生を歩むに至った経緯やそこに込める思いと言うのは、当事者にしかわからない、他人には計り知れない怨念のようなものが渦巻いているように感じました。
それを探る弁護士を今の妻夫木聡が演じるのがとても好かったと思います。『来る』のダメ夫役も含めて、今の彼の顔がこういった良い人だけでない感情を良く表していたと思います。