ヴィム・ヴェンダースと役所広司による作品。ほとんど喋らない主人公・平山を演じる役所広司の佇まいに魅力があり、東京という大きな街の渦の中にあって、貧しいながらも清らかな生き方を、ひとつの『完璧な日々』として良い世界だと思います。しかしながら、この平山にも地獄があり、彼には彼の、他には他の地獄が相まったところに物語があり、映画としての作品を構成しているのだとも思います。

とにかく主人公が喋らず周りのセリフと彼の聞く音楽、読む本によって彼の世界観が作り上げられているのが面白かったです。初心な反応をしたり、他人との繋がりで上手く立ち回れずコミカルな感じになったり、眩しい朝日に涙する姿などは、彼の人生を外に向けて表現されているようで、映画として過不足のない素晴らしい表現力だったと思います。