とにかく主演のふたりは「頑張ったね」というのが第一印象。他の作品に関わる仕事もあったろうけれど、歌舞伎という同じようで全く違う芸能をシッカリと体に叩き込んでの演技は素晴らしかったと思います。

作品は家という呪いで身を立てようにも上手くいかないふたりの物語で、最後は家柄ではなく悪魔との取り引きで手に入れた人間国宝という地位、でも本人にとってはただただ歌舞伎を続けたいというエゴの塊なんだろうな、と。漫画連載も読んでいるのでかなり端折られてふたりの関係が浅く感じはしますが、作品時間から考えたら十分はカットでもあったとは思えるよう出来ていると思います。