イギリスのベストセラー小説の映画化。現代は『ありそうにない巡礼』ということで、日本には伝わりにくい巡礼という言葉が重要だったかと。作品を観て思い出したのは『フォレスト・ガンプ』であったりアヴィーチーの『Waiting For Love』のMVです。

 

要するに主人公ハロルド・フライの贖罪の旅だったのだと思います。思いつきで歩いて、自分を庇ってくれた同僚の女性、その助成と不倫関係にあったかは明言されてはいませんが、それを匂わせる相手に会いに”歩いて”行くというコトが自分自身に科せた罪滅ぼしの方法だったと思います。

ハッキリいって自分勝手だとは思います。愛していたはずの家族だったのに向き合うコトができないでいた主人公の身勝手な行動も、それに赤の他人が同行し祭騒ぎをすることも、傍から見て気持ちの良いものではなかったです。

ただ、そういった非日常的な行動が日常をひたすら生きている人の希望となるコトも確かだと思います。今開催されているオリンピックなどもそうで、他人の努力に願掛けするような思いというのは、心に抱える闇を照らしてくれる、ありきたりではあるけれど時代に関わらず大切な物語だと思います。