佐藤二朗の原作・脚本・監督による作品。時代背景的には昭和後期の頃かと思われる、地方の島にある売春宿が舞台。

普段はコメディ色の強い佐藤二朗の演技の凄みと、山田孝之とのコンビが絶妙だと思います。山田孝之の弱い人間の演技が良く、彼を含めた売春宿の女たちを食らうようにマウンティングする佐藤二朗は、普段からはなかなか想像できない役者としての実力を伺えます。

作品の主題も良く表現されていて、閉塞感のある地方の島と売春宿という社会から切り離されそうになる存在の中で、山田孝之演じる主人公の得太が弱いから生きることも死ぬことも出来ないような存在が、原発開発に湧く島そのものを具現化しているようです。その中で力を振るう佐藤二朗演じる哲雄という男もまた、厚い皮を被っていてなんとか息をしているようで、それが物語の展開とともに少しずつ開示されていく展開はよく考えられていて面白かったです。