何かと身の回りでは酷評を受ける山崎貴監督の作品で、そうなると大して期待もせずに声優が変わった今のルパンを観てみたいという思いから観てきました。結果的い言うと、実写版よりは数倍、いや数十数百倍はマシな作品です。キチンとルパンらしさは演出されていて、キャラクターに裏切られることもなく、そつなく出来上がっていると思います。
しかし、全体像はカリオストロ+ラピュタという宮崎駿が好きなんだな、というだけの作品。後半にいくに従って無駄なシーンが多く、必要なカットが前半から足りない状況なので、ストーリー自体が情緒不安定になっている印象です。とくにランベールは更年期障害なのかと思える行動にはついていけません。また、ヒロインとルパンとの物語である以上、メインの次元や五エ門、不二子ちゃんも銭形もモブにならざるを得ないのに、無理矢理に見せ場を作った形がむしろ陳腐でキャラクターを壊しかねないところ。ギリギリのところで壊さなかったのは山崎監督の力量かもしれません。
技術的な意味では上手いコトをやってのけていると思うのに、全体的な仕上がりが雑で全てを台無しにしているというところでしょうか。丹精込めて彫った仏像に魂が入っていないというか。もたったいないなぁ、と思うところです。