ここ数本、依存症の話が続いてはいますが、そういう話を観たいと思うのもピエール瀧氏の影響は少なからずあるワケで。はじめてしまうキッカケは実在の人物も映像の人物も何かしらあるワケで、依存の始まりはたぶん心の隙間に巣食う魔物なのだろと思うのです。自分の中に生じるプレッシャーをどう処理していくか、というところで入り込んでくる魔物は、アルコールや薬物だけではなく様々な犯罪と結びついていて、とても危険なんだと。
本作はちょっと変わった原作で、シェフ親子がそれぞれに当時のことを回顧録のように記した2冊の本を原作としています。未読なので正しいことは言えませんが、父親のデヴィッドの方を中心に描いているかと。作中では視点の変化が何箇所かあり、その辺りが2冊の違いなのかと思います。
若手の有望株、ティモシー・シャラメは素晴らしく、若々しさ溢れる虚勢と憤りの演技はまさにニックなのだろうと感じるところです。父親を演じるスティーブ・カレルも、セス・ローゲンとのコメディ作品のイメージも強かった中で、昨今では社会へのメッセージ性が強い作品でもクセのある重要な役を見事に演じていて、そこでこの作品ではただひたすらに父親を演じるという深みを感じます。
とりあえず、プランBでブラッド・ピットも製作に名を連ねているので、安心して観ることが出来る素晴らしい作品です。