『オーシャンズ11』以降の、昨今の犯罪モノのイメージだとスタイリッシュなアクションとミステリ的な伏線の回収が面白さの鍵になっているように思いますが、本作はその真逆とも言える感じです。真実を元にした話ではなく真実をそのまま描いたからこその生々しい話になっている。若さの中にある、自分が何者にもなれないという葛藤と承認欲求のための選択・行動の結果が、「現実ってこんなもん」と夢を打ち砕くよう。

本作が面白いのはそれ以外にもドキュメンタリ映画としての手法である、本人のインタビュー映像が、事件を再現するドラマ部分と交錯するところ。作品は叙情的な終わり方をするのですが、作中でウォーレンが「あの時やっておけば、と後悔したくない」という言葉に響いてくる絶妙な投げかけになっているように感じます。そこが本作の肝で、“あの時の選択が”という警鐘のようなメッセージが映像構成も相まってよく出来ていると思います。

私の注目としては、バリー・コーガンの演技。『ダンケルク』や『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』での素晴らしい演技が記憶に新しく、彼の本作での演技も素晴らしかったです。