良い映画だったのは確かなんですけれども、それを上手く伝える言葉がなかなか見つからないところです。冷戦時代の米ソの対立構造や当時のアメリカで広まっている反戦主義的な思想とのぶつかり、また宇宙という世界に取り憑かれた人々とかの描き方が気になるところではありました。もちろん、それも世界観を構成するために描かれていますが、ストーリーはほぼほぼニール・アームストロングに焦点が集中していて、そこから見える宇宙開発の意義と言うか、犠牲の上で成り立つ成功の意味を考えさせられます。下手にドラマチックに演出して映画的な盛り上がりを作るコトがなかったのが、よりその意味を探るにふさわしかったように感じます。

作中ではかなり口数が少なく寡黙なニール・アームストロングを描いているように思いますが、インタビューなどから実際はかなりユーモラスな人物像だったようです。よくよく考えてみれば、仕事以外の彼はとても仲間たちからも信頼され慕われているのです。それを知って改めて作品のコトを考えると、監督のデイミアン・チャゼルやニール役のライアン・ゴズリングたちが描こうとしていたニール・アームストロングという人物の魅力が深みを増していくように思います。