おおよそ、話の流れや映像の展開は読めるところで、8割9割それを裏切らなかった作品ではあったと思います。冲方丁原作だし、堤幸彦監督だしで、それほど困ったことはなかろうかと。そんな感じで若手の俳優たちがぶつかり合っているところを楽しみに観に行きました。
その上でやはり上手いのは新田真剣佑くんと杉咲花さんのふたり。物語の中心になる役柄であるところもあるのですが、密室ゲーム的な張り詰めた緊張感を高め、ストーリーテラーとしてのやくどころをキッチリと勤め上げている印象です。限られた空間で限られた役者のみでの立ち回り、それぞれの役目が大事になってくるところですが、やはりそれを先導する役者がこの年代にいることは、映画やドラマを楽しむ人間にとってはとても嬉しいことであり、これからが楽しみに思うところですね。
期待感の低かった映像やストーリー的なところで何か、というところでは、それぞれの動機づけが弱いのが気になるところでしょうか。小説ならばページ数を割いて読み手の想像力を触発するに値する設定ではあると思うのですが、映像でプロダクション的な限界ともいえる2時間を想定すると、12人という人数を捌くにはなかなか難しいところではあったと思います。それでもラストに向けての加速度についていけない役があってしまうのは残念だというところ。それと最後の採決に関して橋本環奈さんに頼りすぎた映像も、それを助長させているように感じました。