前作とは別物、と思って観た方が入り込みやすいかな、とは思います。キャストを除きスタッフのほとんどが換わり、演出面においては雰囲気が随分と違っていて「こんなもんだったか?」と感じるところです。全体的に緊張感が充満したままで、前作を知っていると緩慢な印象を受けてしまったように思います。前作の良いところは緊張と緩和とが目まぐるしく変わることで酔ってしまうような作品だったように思います。緊張の糸が張り詰めたシーン、画の美しい静かなシーンと、その揺らぎがすごかったな、と。主人公もエミリー・ブラントが演じたケイトの視点を中心に描くことで、本質的な主人公たるアレハンドロが客観的に描かれているのが面白かった。
そして今作は『2』ではなく“スピンオフ”。それも脚本は前作同様にテイラー・シェリダンが書いており、中心になるキャストはベニシオ・デル・トロとジョシュ・ブローリンが引っ張っているので、前作を観ているとより楽しめる、というところでしょうか。テーマ性もシェリダンらしいというか、前作を上手く引き継ぎつつも、イザベラやミゲルといった新しいキャラクターを使うことで違う角度からアプローチしているように思います。なので「前作とは別物」として良い作品として、推せるところです。