ネットなどで悪評自体は見聞きしていたももの、「そこまでは……」と思ってはいたけれど、実際はその言い分がわかるような気がしました。面白いとは思うけれども、全体がぼやけているというかピントが合っていないというか。
話自体、クンちゃんのミライちゃんに対する思いの成長、というには無理がありすぎるとは思います。予告では未来から来たミライちゃんとの冒険譚のように見えるところもあり、クンちゃんが彼女と一緒に過ごす時間によって想いが変わっていく、というのならばそれはわかる。だけれども、実際はクンちゃんのみで話が進み、それほど未来ちゃんに対する繋がりは感じない。繋がりという点では、キーとなる樫の木とクンちゃんの関係、ひいじぃじとの関係辺りも希薄だし、結局のところこの手の映画でよくある父の不在感は大きい。ピース一つひとつは面白いとは思うものの、それを繋ぎ止めるモノがとても見えにくく、それ故かバラバラな全体像が浮き彫りになっているのかな、と。個人的には暗転の使い方が下手だな、というのが気になりました。
とはいえ、アニメーションの質は細田らしい表情豊かで色合いも爽やかな夏らしい雰囲気は楽しめはします。毎度のコトですが、設定の現実とファンタジーの境界線を行く感じも面白いと思います。ただ、さすがに細田メソッドのようなものに飽きてきてしまっている、というのも否めないところなのかもしれません。