誰もその正体を知らない、世界最強の殺し屋というシュワルツネガーにピッタリの役で、往年のコミカルなアクション作品ときては、とワクワク期待しながら観に行きましたが、裏切らない面白さです。ここ数年で役者に復帰した彼が、アクションも含め演技の深みが増してきたトコロで、こういった作品に挑むのは、楽しみでしかないですよね。
内容に触れれば、とても社会批判的とも感じるトコロが多かったと思います。アメリカのドキュメンタリーによくあるインタビュー・シーンから始まり、ガンサーを暗殺するミッションが始まってからはやる事なす事裏目に出るというお約束が満載。コメディの定番を外さない、期待通りの笑いが溢れている。そしてガンサーと対峙することによってタネ明かしが始まる。
誰でもが自分の記録を簡単に残すコトができるようになった現代、それを否定とはいかないまでも茶化すコトに徹底しているように思えるトコロです。ユーチューバーと呼ばれる人たちが、事件に飛び込んでいったり自ら事件を起こすことによって再生回数を稼いでいる、というコトに対するアンチテーゼのように感じるのです。もちろん、ガンサーたちを狙う人間たちがクソみたいな殺し屋たちだけれども、それ以上にシュワルツネガーの演じるガンサーはクソな存在なのも、そこに徹底しているからかと。ここで聖人のようなガンサーだったら、このテーマは興ざめしてしまうトコロでしょうが、敢えてクソな人間に仕立て上げたコトで、テーマが完璧なものになっているように思いました。