チョイチョイ入ってくるスターウォーズ的なネタがなんとも微笑ましい。マーク・ハミルがいるからか、それともネタと使うためにマーク・ハミルがいるのかはわかりませんが(笑)
作品の始まりは、チラシや予告なのでわかっているトコロではあり、その上で『ルーム ROOM』をふと思い浮かべていましたが、そこには抑圧はなく愛されて育っていました。むしろ、解放されてからの現代社会の方が抑圧的とも感じるのは皮肉を感じるところ。
主人公のジェームスは、誘拐・監禁していた“偽り”の親の元すくすくと育ち、そして“本当”の世界に触れるコトでひとりの人間として成長していく。自分だけの世界を生きてきた幼少期から社会に適応していく、という過程を描いていると考えられます。社会に抵抗していくという割とよくあるテーマでありながら、誘拐・監禁の過程を経るという特異なエッセンスが効いていて、コメディとリアリティの絶妙な味わいを醸している作品です。
昨今の子どもが被害を受ける事件を目の当たりにしている現状、このような作品はとても輝いて見えます。誘拐・監禁した“昔”の両親にしても、形がどこか歪んで感じはするけれども、精一杯に愛情を注いでいる。それを感じるのがジェームスがテッドに面会に行ったシーンに現れているように思います。テッドが作り続けてきたブリグズビー・ベアを通してジェームスはその愛情を受け取っていたンだな、と。『万引き家族』にも似たような親の愛情、人の愛情に溢れた作品だと思います。