昨年のパルム・ドールを受賞したスウェーデンのコメディ作品です。凄くシュールでブラックユーモアに満ちた感じで話が展開されていくのですが、ある一点を超えたところでそれが悲劇的に物語が転がっていくのは肝を冷やされる思いでした。さっきまで皆で笑っていたコトが、突然に重くのしかかって苦しくなる。
社会風刺的だな、と思うところはその展開の様ですね。ツイッターなどのSNSで気楽に上げ、最初は仲間内で笑いを得ていたものが、批判の嵐に襲われる。今まで傍観してきた人間が、突然に当事者となってしまう様に似ているように思います。主人公のクリスティアンは裕福な暮らしの中で街中に溢れる物乞いに目もくれず生きてきたが、全てを失うとまではいかないものの失態を演じてしまう。
この作品が面白いのはそういった風刺に加え、ヨーロッパの抱える難民や貧困の問題を織り交ぜて展開されていくところだと思います。その皮肉の象徴として描かれるのが、「ここは信頼と思いやりの聖域です。誰もが平等の権利と義務を持ちます」と説明される“ザ・スクエア”と名付けられた現代芸術。これが時折いいパンチで入ってくるから面白い。でも、最後はそれに笑っていられない現実を突きつけてくる作品の完成度は素晴らしいものだと思います。