物足りなさとモヤモヤ感が残る作品です。

テーマが地球の反対側の人々との出会いや恋愛、というのは時代性も含めとても面白く興味のあるところ。『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』でも描かれているように、技術の進歩によって地球上の距離はある意味において0となる。そこで起きる現実の人間の距離はどういうものなのか。遠く離れた、想像もままならないような土地の人間と出会い時間を共有することで生まれてくるものは何なのか。

それが全く描かれていない。描かれているのはストーカーな主人公が、仕事で見つけた地球の反対側に住む少女に、勝手に感情移入して関係を求めるだけのもの。ハッキリ言って、そんなダメ男に心を許しちゃダメだよ、アユーシャ(出会う少女の名前)。

出会いから共感し心を許していく過程はほぼ皆無。作品はダメ男なゴードンに焦点が行き過ぎていて、少女とのふたりの時間がないから、話は強引な展開をしていく。童貞男の夢を描くとこんな感じ、とも言えるくらい乱雑なご都合主義な話に終始していると思います。

テーマや映像の作りは好みだったのですが、仕上がってきた作品の内容は、私には満足のいかないところです。