昨年の秋に亡くなられた、ハリー・ディーン・スタントンの遺作。原題も『Harry Dean Stanton is LUCKY』となっているのも、何か感慨深い思いです。90歳のスタントンだからこそ、このラッキーになった、という風に感じますね。

毎日の生活をクロスワードとシニカルなジョークと少しの酒で繰り返す90歳のラッキーの思い至ったところ。全ては“無”であり、だからこそ“笑う”んだ。そう言った後に「ここは禁煙」と書かれた前でタバコに火をつける。皮肉たっぷりなこのシーンが大好きです。

小さな町の中での繰り返しの毎日の中が、ラッキーという人物を浮き彫りにしているという演出も自然で心地よいです。そこには彼が居心地の良いところだということ、そして彼が町の人々に愛されているということ。とても見ていて気分の良い作品です。