正直に、嫉妬する才能を感じます。グザヴィエ・ドランのように映像に関して演じても演出しても、上手い。多才な中に深みを持っていると思います。
映像自体は比較的シンプルな映像構成、カット割りもフレーミングも基本を大事にしている感じでわかりやすい。後半の盛り上がりのところでは笑いの構成も理解できているし、主人公である高橋一生を上手く捉えている。
しかしながら、そこから伝わってくるものには作品のテーマに触れる深みがあって、観終わった後に残るものはとても味わい深いものがあります。家族と知られざる父の人脈と人柄が、それぞれに個性的な笑いを含みつつも語られる時の映像構成が上手い。家族側の役者を過剰に反応させない微妙な演技も、父に対する複雑な想いが伝わってくる。
最後の喪主の言葉も好きですが、私は借金取りのヤクザ2人が三和土から短く手を合わせるだけで帰ってくところが一番好きですね。死には敬意を払う彼らだけれど、13年も追いかけ続けていたのかよ、っていうチョット可笑しい雰囲気が、心地よいのです。