印象的だと思ったのは、主人公であるマリーナが映る鏡やガラス窓が多かったコトでしょうか。トランスジェンダーに限ったコトではありませんが、自分の外見にコンプレックスを抱くその姿を撮し続けていたようにも思います。
自分らしく、というテーマにおいて今目の前にある自分の姿を見るというコトでもあるワケで。それが部屋にも街にも、どこにでもある。そこで気が付く自分を見つけて嫌だという気持ちもあるけれど、自分を切り離しては生きていけないワケで。だからこそ、強くなくちゃイケナイ。
もちろん、弱いところはあって良いと思います。でも、自分を護る自分のためにも強くならなくちゃ、と。そこで音楽の先生との会話で出てくる、聖フランシスコの平和の祈りの引用と思しき言葉が心に響いてきますね。
作品のラスト、主演のダニエラ・ベガの歌うヘンデルの『Ombra mai fù』やエンドロールで流れるアレサ・フランクリンの『(You Make Me Feel Like)A Natural Woman』が感動的でした。作品を通してここに至る美しさがとても気持ちよかったですね。