大牟田であった殺人事件の被告の獄中手記を元に書かれた『我が一家全員死刑』の映画化なのですが、そもそもこの事件がハチャメチャ。映画的とも言える事件を映画化したワケですが、ここは演技と演出とが相まってとても面白い作品に仕上がっています。ただ、私としては映画なのでテロップで読ませるよりももっと、映像で演出できたな、とも。数シーンを足すことで映画としての完成度を上げられたと思いました。

しかし、見所の間宮祥太朗くんと毎熊克哉くんの演技が良かった。兄弟、家族という鎖に縛られた主人公のタカノリの心情の変化、エスカレートしていく姿が良く出ています。それを目の当たりにして関係性が変わってきているコトに気がつき始める兄のサトシも最高に良かった。彼らの持つ素質をしっかりと良い画角でフレーミングしていった監督やカメラマンも良い。胸糞悪い事件なのにストックホルム・シンドロームのように引き込まれて同情すらしてしまいそうな演出で、とても面白い作品でした。