直感的にはビックリさせられているか、胸糞悪いアメリカの田舎の嫌なところを見せられているか、という精神的に疲れる作品でした。

しかしながら、この映画が持っているものはホラーというだけに括られない、とても良い作品なのです。殺人ピエロ、元ネタはジョン・ウェイン・ゲイシーなのですが、その凶悪さは観ていて恐ろしく気分の悪くなる存在。それに立ち向かうのが田舎で自らを“ルーザーズ・クラブ”と称したいじめられっ子たちだということ。吃音障害、ユダヤ人の少年、喘息持ち、極度の近眼、肥満、黒人の少年たち、そして男たらしと噂されている少女。彼らの持つ心の闇が物語とともに明かされていきますが、それに立ち向かうこと=殺人ピエロを倒すこと、としてリンクしてくる。そして、その結果に待つもの。

ホラーをテーマに深みのある物語に感動してしまいました。やりすぎだと思えるところもありますが、その胸糞悪さが彼らの成長していく姿に響いて感動を呼ぶのです。

 

あいかわらずのサブタイトル問題もあるところで、町山智浩さんも言及していたようですが、“IT”とは単に“それ”という意味ではなく、鬼ごっこの鬼を表す、子どもたちの言葉であることが大事だと思うのです。鬼とはもちろん、殺人ピエロのことが中心だと思いますが、いじめっ子たちやそれぞれが抱える心の闇を指すもので、それに自分を狩られる前に立ち向かっていく、という少年たちの成長譚でもあるのでしょう。