原作をよく知らず(作者のJ・G・バラードの名前くらいは知っている程度)に観に行ってきたのですが、面白かったですね。原作との相違とかはわかりませんが、原作当時の古臭さと今の時代に合わせたであろうアンバランス感がなんとも言えないところです。いわゆるSF的な未来予見のところで、とても現実的に的中している感じがなんとも言えない怖さを感じます。
大規模なマンションに全てを詰め込むことによって、そこに生じる階層=階級という世界が出来上がっていく。外側からは容易に覗けない密閉された社会では、最初はお互いに適度な距離を保っていたヒエラルキーも、1つずつ問題が積み重なっていくにしたがいそれが大きな不満として暴動化していく様は、大規模マンションの問題ではなく1つの国における政治的運動の流れを描いているワケです。
作品全体としては、今までのトム・ヒドルストンの今までの雰囲気からしたら、かなりコメディタッチの感がします。野性味溢れるルーク・エヴァンスとの対称も良く、イギリス的なブラックユーモアの味わいが強い仕上がりであったと思います。