楽器屋などではエフェクター制作の本を立ち読みしたりしては「コレはいらないな」と食指が動かないものがほとんどでした。理由は製作とチョットした改造の指針があるだけで、プラモデルみたいなところで終わってしまっている。私みたいに自分が欲しいものを作る、というには物足りない内容だったからです。

しかし、本書はそこから一歩踏み込んで、よく使われるパーツのことや回路の説明が書かれています。なので、全く知識がなく初めてエフェクターを作ろうというと、たぶんコレでは作れないと思います。回路図と基盤のプリントパターンは載っていますが、それを実際に使って作るには説明が少ないかと。

 

ただ、これに私が満足しているかと言うと、それも違っていて残念な内容だったとも思います。

まず、増幅回路の増幅率の計算式が間違っている。オペアンプの非反転増幅回路の計算は、本書の数値で示すなら1+Ra/Rbでなければ、ボルテージ・フォロアを用いたバッファとしての増幅率がおかしなコトになってしまう。難しいコトは省いてもココは正確にあるべきだったかな、と。

そしてもうひとつ。難しい計算式を省いていったのはいいのだけれども、せめてフィルター計算とそのイメージ図くらいはあったほうが良かったかと。どうしても音の信号が回路を通る過程でフィルターがかかるコトを考えると、それはどうしても考えねばならない内容だと思うので、ココは必要だったと思います。イコライザーの製作と回路の説明もありますし。

 

目指したところはきっと

既存のエフェクター製作本 < 本書 < サウンド・クリエイターのための電気実用講座

なので、それは合っているとは思いますが、タイトルにある“設計”という部分では不十分すぎる内容であったと思います。