映画『ザ・コーヴ』は、映画として仕立て上げられた演出での残虐性を感じずにはいられませんでした。映像としての組み合わせも映像を撮る上でのやりかたも、やりすぎていて事実を歪曲させている部分は非常に残念に思ったことを思い出します。私にとってイルカ漁というものの正否は難しく、知性が高いからといって捕食の対象にしないという意見も、伝統文化だからと続ける意義にも、同じレベルで否定的にならざるを得ないのが私の感情です。
世界動物園水族館協会の警告によって状況が変わりつつあります。太地町で捕獲したイルカを水族館などが入手することを、警告を受けた日本の協会が禁止したのです。これに外れることによって、水族館のみならず動物園なども、海外からの動物の入手が難しくなる。
ここにきて考えなければならないのは、本来の動物園・水族館のありかたではないでしょうか? もちろん娯楽としての側面も大事なことですが、それ以上に博物学という観点であるはずの施設として、今の時代の世界的にはその存在は本当に必要なのかどうか。
博物学上、種の保存という役目は大きいと思います。子どもたちへの教育としても、とても有効な施設でもあると思います。そうであるならば、見せ物としての動物園・水族館はもう、必要ないのかもしれません。
しかしながら、それを目指すのであるならば世界レベルで足並みを揃えなければならないように思います。それこそ核軍縮のように公平なステップが必要となるでしょう。
いずれにせよ、何を問い何処に答えを見出すかが大事です。単純に賢いとか伝統とかだけで語ることではなく、世界レベルで何をするべきかを考える場であって欲しいものです。