『アイアンマン』シリーズの監督、ジョン・ファブローがさっさと契約を終わらせて撮りたかった映画、というような噂を聞いて楽しみにしていた作品です。もちろん、商業ベースで撮られている『アイアンマン』などのアメコミヒーローものというのも、最近のは単純に正義と悪の戦いだけではなく、悪役の個性にもコミットされた作品が多く作られ、とても楽しませてはいます。それでも、それはどうしてもジェットコースター式の娯楽というところでの楽しさが強すぎて、もっと日常的な人生の楽しさ、というのを感じたい想いには叶わぬ内容になってしまいます。
そんなこともあるのかないのかは知りませんが(笑 ジョン・ファブローという映画監督の良さというのが良く出ていると思います。自らが主演していることもあるのですが、何か伝えようとする作家としての想いというのが良く表現されていると思います。よくある失敗からの再起ではあるのですが、どうやってもう一度成功するのかではなく、失敗からしっかりと学んで何をするかを考えている姿がよく映し出されていて、成功譚としての表現の軽さがむしろ心地よくたのしめました。
そして、作中に流れる音楽の優しいこと。その前に観てきた『アメリカン・スナイパー』の静謐さと相まって、音楽の素晴らしさをストレートに実感することができました。音楽で作中の気分を表現する、また観客の気持ちを盛り上げていくという、トーキー以降の映像の面白さを味わうことが出来ました。
なにより、観ていてお腹の空く作品であったことは、タイトルに相応しい出来であったことを照明していると思います。