ホドロフスキーっていうと『エル・トポ』とか『ホーリー・マウンテン』のようなカルト映画の始祖というか、日本で言えば私の大好きな石井輝男監督を思い起こさせる人で、エンターテイメントの演出においては一般受けしにくい作品を撮る方なんだろうな、と思っていました。まぁ、おおよそそれは外れてはいないんですけれども(笑
その彼が企画立案して、よしこれから撮るぞ、というところで頓挫してしまった作品が『DUNE』でその制作にまつわる話を取材したのがこのドキュメンタリーです。
なによりも、アレハンドロ・ホドロフスキーという人物の魅力が押し込められた作品でした。何よりもホドロフスキー本人へのインタビューに見える彼の人としての面白味が良く出ていて、ライムスターの宇多丸さんいわく「初心者に向けるホドロフスキー作品への入門としてオススメ」という意味が良く理解できます。
子どもっぽくてポジティブでユーモラスな人柄が、ひとつの作品に情熱を注ぎ全力で完成をさせようと努力していった結果が、たとえその作品を彼が完成させることはなかったとしても、その記録は残り、ひとつの作品を作り上げていったことは確かだと思います。インタビューでレフンが語ったように、彼の話を聞くことで未完の『DUNE』という作品(実際にはデヴィッド・リンチが“別物”として撮影、公開した)を観たように思えるというのも、頷けます。