マスター・タツローの心理学特殊講義

マスター・タツローの心理学特殊講義

特に計画もなく、回数も定めず、その日その時の思いつくまま気の向くままに、お話を進めます。内容も心理学を中心とはしますが、その時の気分で、何処に飛ぶやらわかりません。評価はレポートでいたしますが、単位を認定しても得になることはないので、提出は自由。

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再放送だったので,もっと前に見た人もいるだろう。『ネプリーグ』は,私の好きなクイズ番組の一つである。番宣も兼ねての2時間の特番で,出演者も多かった。その中で,私はEXILEのAKIRAさんに注目してしまった。

漢字を書く問題で,全10問中6~7問を剛力あやめさんが見事に正解し,その後を受けたAKIRAさんが3~4問を正解してパーフェクトの解答をしたのだった。問題は最初ほど易しく,後になるほど難しい。彼に出された最後の2問は,(飛ぶほうの)「たこ」と「とりこ」という字。みなさん,わかりますか?

正解は,「凧」と「虜」

「何でわかったの?」と聞かれて,彼は「タマタマですよ。」と答えたのだが,「凧」に関しては育った地域が凧作りが盛んなところで,「凧」の文字はあちこちでよく見ていたらしい。「虜」に関しては,「虎みたいな…」と「虎」の字を書きながら説明していた。

もう1つ,彼が活躍していたのは,提示された言葉に共通してつながる言葉を当てる問題である。
例えば,「金太郎」「水」「綿」の3つの言葉の前後のいずれかにつながる単語を考える。

この場合は,「あめ」が正解である。「金太郎あめ」「水あめ」そして「綿あめ」というわけだ。

じゃあ,次はどうだろうか?

「セールス」「コピー」「ボール」

わかりますか?

正解は,「キャッチ」。「キャッチセールス」「キャッチコピー」「キャッチボール」。多分,こっちの方は難しいと感じた方もまあまあ多いのではないだろうか。まあ,そうでもない人もいるだろうが。

AKIRAさんはこのタイプの問題もそんなに苦にせず,正解を続けていた。(これは全員正解が得点の条件だったので,それほど活躍が目立ったわけではなかったが…。)

それまでの問題では,さほど目立った活躍はなく,どちらかというと汗をかきかき…苦手そうにしていたが,この二つの問題での彼は際立っていた。

どうやら彼は,視覚的イメージが優位なタイプの人と思える。
(しかも漢字を思い出す時に指を動かして,漢字を書く動きを繰り返していたので,運動によるイメージの喚起も得意なのだろう。)

音のイメージは,「線状性」といって,それを聞く時,時系列に従った経験となる。「タバコ」という音は,「タ」「バ」「コ」という時間に従った順序で,聞くしかない。「タバコを」という音を聞くと,その時点で聞き手は「吸う」「吸いたい」などの音が次に来るだろうと予測しながら聞いているものだ。また,符号化特定性といって,通常経験する順番で記憶は想起されやすい。「金太郎」と言えば,「クマ」「まさかり」なども思い浮かべやすいが,「金太郎あめ」なども思い浮かべやすい。次に「水」とくれば,「虫」のほかに「あめ」も浮かんできやすい。その共通性に気付き,「綿」で「わたあめ」に思い至れば正解に辿りつける。しかし,その逆の「セールス」から「キャッチ」は,通常経験する順序と逆なので,浮かびにくい。「セールス」なら「マン」や「レディー」の方が先に浮かぶだろうし,「コピー」なら「サービス」とかが浮かぶだろうか。

しかし,単語を視覚的なイメージとして頭に入れておけば,「キャッチ」も「セールス」もそれぞれ,同時に存在するイメージになる。そのため,符号化特定性もいくらかは緩和され,想起がしやすくなるだろう。漢字の問題でも「凧」は,日常的に看板などで視覚的なイメージとして定着していたと思えるし,「虜」も「虎みたいな」と視覚的な類似性から想起できたようだ。


記憶に関する心理学では,通常一般論としてどのように記憶がなされるかていう点が研究の焦点になるが,記憶には個人差も多いし,それがクイズの解答の成績に影響することもある。

テレビを見ていても,そういうことが気にかかるのが僕の悪い癖…