こんにちは。元原誠吾です。
 

セラピスト診断学研究所の運営をしたり、
オンラインフィットネスサービス、ウチトレの開発をしたりしております。
 

今日の記事は、「腰椎分離症を理解する」というテーマで投稿させていただきます。
最後までお読みいただけたら嬉しいです。

本日のテーマ、「腰椎分離症を理解する」について、
わかりやすく3つのポイントでお伝えします。


①スポーツ×腰部痛でまず疑う
②スペシャルテストをあてにしない
③ステージにより予後が変わる



小児から10代にかけての腰部痛には、放っておくと長期の治療期間が必要になったり、
成人以降の腰痛の原因になってしまうものがあります。
その一つである、腰椎分離症を見分けるためのポイントをまとめてみます。 


①スポーツ×腰部痛でまず疑う
腰椎分離症は、「椎体の伸展、回旋動作」が主な原因となり椎弓に発生する疲労骨折です。

最も発生しやすいのは、『第5腰椎』で、次いで第4、第3の順に割合が多くなります。
腰椎分離症の詳しい病態については、ネットで検索するとたくさん出てくるので、ここでは割愛させていただきます。

椎体の伸展回旋が起こりやすい状況として、最も多いのは『スポーツ競技』によるものです。
・野球でバットを振ったり
・サッカーでシュートをうったり
・バレーボールでスパイクを打つ時など
繰り返しのストレスが椎弓に加わり 炎症を起こします。

となると、小中高生の腰部痛で、スポーツを盛んに行っている方であれば、
まず腰椎分離症を念頭において問診にあたるのがポイントです。

また稀に、
・吹奏楽部
・書道部
・美術部
に所属している学生でも、分離症を発生することがあります。

「体力をつけるために毎日グランドを3 km 走っている」吹奏楽部
「2 m 以上ある紙に、無理な体勢で長時間字を書き続ける」書道部
「天井に装飾をつける作業を1ヶ月間続けてきた」美術部

など、話を聞くと分離症が発生してもおかしくないエピソードを確認できる場合があります。
『文化部では発生し得ない』と決めつけることは NG です。 



②スペシャルテストをあてにしない

腰椎分離症の理学所見に、
・kempテスト
・後屈テスト
・椎弓根の圧痛
などありますが、私の経験上、これらのテストがほとんど出ない場合でも、
痛みが続き一週間後に MRI を撮ったら、進行期の分離症が見つかったケースがあります。

しかも一度や二度でなく何度もです。

特に小児の場合、どの程度の痛みを『痛み』として判断し表現するかにものすごく個人差があります。

スペシャルテストがすべて強く陽性が出ても MRI 上、全く信号が出ないケースもありますし、
上記のようにほとんど所見が出ないケースでも MRI により高信号が確認できる場合があります。

初診時に「明らかな理学所見の陽性反応がなく可能性が弱い」と判断した症例でも、
経過次第では、一度医療機関での検査をお勧めします。 




③ステージにより予後が変わる
腰椎分離症のスペシャリストである、徳島大学病院の西良先生が提唱されている『分離症のステージ分類』があります。

これには、
●レントゲンで椎体の成熟度を評価する骨年齢評価と
●CT 検査により疲労骨折の進行度を評価したものがあります。

まず、レントゲンで椎体の成熟度を評価する基準について、
「C stage」 「A stage」 「E stage」と三つのステージに分けられます。 
・C stage:レントゲンにより椎体の骨端核が確認できないもの
・A stage:骨端核が出現し骨硬化が始まっているもの
・E stage:骨硬化が完了したもの



次いで、 CT 検査 により疲労骨折の進行度を評価したものについて、
画像のように『初期』『進行期』『終末期』と三つの段階で評価されます。


初期で発見された場合、およそ9割以上が融合を認めますが、終末期で発見された分離症は今後癒合することはありません。

この二つの評価で最も注意すべき状態は、
・C stageの進行期から終末期です。

椎体の骨端核が確認できない状態というのは、椎間板と椎体とをつないでいる終板も未成熟な状態です。
この状態で椎弓が完全に疲労骨折をしてしまえば、椎体の支えがなりなくなり前方にすべってしまいます
これが『腰椎分離すべり症』です。

終板がきちんと骨硬化しているE stageでは、いくら椎弓が疲労骨折して離断しようとも、すべり症に移行する可能性は極めて低いです。

なので特に、

「小学生で発生するスポーツを起因にした腰部痛」には注意をする必要があります。 



お分かりいただけましたでしょうか。
本日のテーマ、「腰椎分離症を理解する」についてまとめてみました。




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