こんにちは。元原誠吾です。


セラピスト診断学研究所の運営をしたり、
オンラインフィットネスサービス、ウチトレの開発をしたりしております。
 

今日の記事は、「レントゲンで見る変形性膝関節症の3つの特徴」というテーマで投稿させていただきます。
最後までお読みいただけたら嬉しいです。


本日のテーマ、
「変形性膝関節症のレントゲンの特徴」について
わかりやすく、3つのポイントでお伝えします。


①関節裂隙の程度で5つに分類される
②O脚の程度はFTAでチェックする

③骨棘は悪者じゃない

変形性ひざ関節症は、治療院に来られる患者さんの多くの割合を占めている病態です。

その中でも、医療機関で検査し診断を受け、「注射だけじゃ良くならないから」と
治療院に来られる患者さんも多いです。

医療機関で撮影したレントゲン画像を治療院に持って来られるケースも少なくありません。
画像の見方の基礎を知っておいて損はないと想っています。



①関節裂隙の程度で5つに分類される
変形性関節症は、レントゲンでの見た目により、5つのグレードに分類されます。
これを『ケルグレンローレンス分類(KL分類)』と呼び、一般整形外科外来で多く用いられております。



Grade 0   異常なし。正常。

Grade 1   大きな変化はないが、骨棘や骨硬化が見られることがある。

Grade 2   膝関節の隙間が狭くなり始める、変形性ひざ関節症の初期段階。
骨の大きな変形はないが、わずかに骨棘の形成が確認できる。

Grade 3   変形性ひざ関節症の進行期。ひざ関節の隙間がさらに狭くなったり、
はっきり確認できるほどの骨棘や骨硬化が生じたりする。

Grade 4   ひざ関節の隙間が75%以下となり、消失することもある。
大きな骨棘が形成され、骨の変形も顕著に認められる、末期の段階。


医師によっては、このグレードにより手術を選択する判断材料にされている方もいます。
ただ、この KL 分類と症状に明らかな相関性はなく、

「レントゲンを見て KL 分類のグレード3だから即手術だよね。」

というのも違うなと思っています。

「果たしてそれが本当に変形性関節症由来の症状なのか?」
をきちんと精査する必要があるなと想っています。



②O脚の程度はFTAでチェックする
下肢のアライメントをチェックする時に用いられる手法が、

・ FTA
・ Q角
・ミクリッツ線



などありますが、Q角は厳密に言うと『膝蓋骨の外方変位』をチェックする指標なので、
脛骨大腿関節の変形によるアライメントをチェックするには、『FTA』 か『ミクリッツ線』の二択になります。

ですがおおよその場合、患者さんが治療院に持って来られるレントゲンは、広くても大腿中央~脛骨中央のまでの、膝関節のみを写した画像です。

ミクリッツ線の計測には、『大腿骨頭と足関節まで含む』レントゲン画像が必要なので、治療院ではほとんど見かけることがありません。

ひざ関節を中央に置いたレントゲンで下肢のアライメント見るには、 FTA が最も都合が良いと考えています。

計測の方法は、



①大腿骨の中心を通る直線を引き
さらに、
②脛骨中央を通る直線を引きます。

二本の直線が交わるところを計測箇所として膝関節の外側の角度を測ります。

一般的に、正常角度は『176°前後』と言われており、O 脚になるとこの角度が大きくなり、X 脚になればこの角度が小さくなります。

膝の骨切り術を行う場合は、 FTA・ミクリッツ線の情報から緻密に計算され導き出された角度に調整されます。
 



③骨棘は悪者じゃない

「膝が変形してここにトゲができていますよね。これが痛みの原因です。」


などといろんな治療家さんやお医者さんが口にしておられますが、
骨棘は全てがすべて悪者ではないなと思っています。

もちろん加齢とともに膝の変形が進むと、大腿骨・脛骨共に骨棘が出現してきます。
その骨棘が、
・明らかに神経を刺激している
場合や
・組織の嵌入に関与してる
場合には骨棘切除などの処置は必要になるかと思います。

ですが本来、『なぜ骨棘ができるのか?』と考えるとひとつの答えが見えてきます。

何十年も人の体重を支えてきた膝関節が、年々負荷に耐え切れなくなり隙間が狭くなっていくことは仕方ありません。
日本人にはO脚が多く、体重のストレスは膝関節の内側にかかってくることが多いです。

これまでバランスよく関節の全体で支えていた体重が、内側に集中してくるとどうなってくるか?

少しでも広い面で体重を分散して受け止めないと、より関節の破壊が進んできてしまいます。
一点で支えるよりも広い面で支えた方が負荷を分散できる。ということはお分かりいただけると思います。



そうなんです。この骨棘は「長年体重を支えてきた膝が、少しでも長くその方の体重を支え続けられるように」
と状況にあわせて適応していった結果なんです。

「骨棘はみな悪者ではなかったんだな」と想っていただけたら嬉しいです。 



お分かりいただけましたでしょうか。
本日のテーマ、「レントゲンで見る変形性膝関節症の3つの特徴」についてまとめてみました。







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それでは、今日も張り切っていきましょう。




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