こんにちは。元原誠吾です。


セラピスト診断学研究所の運営をしたり、
オンラインフィットネスサービス、ウチトレの開発をしたりしております。
 

今日の記事は、「小児の股関節疾患の鑑別で大切なこと」というテーマで投稿させていただきます。
最後までお読みいただけたら嬉しいです。

Instagramを通じてご質問いただきました。内容は、

「質問です。単純な股関節炎、股関節捻挫と大腿骨頭滑り症の鑑別にいつも迷います。
鑑別方法などあったら教えて頂けたらと思います。」


ご質問いただきありがとうございます。
本日は、いただいたご質問に回答すべく、
「小児の股関節疾患の鑑別で大切なこと」について
わかりやすく、3つのポイントでお伝えします。


①発熱は最重要チェックポイント
②歩けないほどの痛みは要注意
③経過を見ないとわからない




・大腿骨頭すべり症
・ペルテス病
・化膿性股関節炎
・若年性リウマチ
・骨腫瘍
など、小児の股関節痛には見逃してはならない疾患もいくつかあり、注意すべきポイントがあります。
それぞれの病名の病態に関しては、検索すればどこでも知ることができるので、今日はそれぞれの見分けのポイントをまとめます。



①発熱は最重要チェックポイント
発熱症状を併せた股関節痛は要注意です。
放っておくと関節破壊が起こる『化膿性関節炎』も疑う必要がありますので、必ず
・発熱
・直近の風邪症の有無
を確認ください。

単純性股関節炎の発生機序のエピソードにも、「運動後、外傷後等」に含めて、「風を引いた後から」とありますが、
まず疑うべきは感染性関節炎等重篤な疾患です。

単純性股関節炎は、通常発熱はなく、全身状態は良好です。

レントゲンを撮っても明らかな異常がないことが多いですが、
関節液が溜まっている場合は確認ができます。

発熱を伴う痛みの強い股関節痛は、レッドフラッグも疑って医療機関に紹介するのがベターでしょう。



②歩けないほどの痛みは要注意
歩けないほどに痛みがある場合は、化膿性股関節炎や急性の骨頭すべりなど重篤な疾患である可能性が高いです。
(痛みを過敏に感じる子であれば、なにもないケースもありますが、、)

骨頭すべりであれば、スポーツにより発症、悪化するケースがあるので、
・スポーツ中に、、
または、
・スポーツした後から、、
といった訴えでは、早めに医療機関を案内した方が良いです。

サッカーをしていて痛みが出た症例に関しては、上記以外にも多様な病態がありますので、
「何をすると痛むか?」にフォーカスすることが大切です。

ただ、なんとか歩けているからといって安心することなかれ、
骨腫瘍などが隠れている可能性も十分にあるため、その他の症状、訴えとの総合的な判断が必要です。



③経過を見ないとわからない
発熱や明らかな跛行を呈さない小児の股関節痛を、治療院で鑑別しようと思ったら
正直経過を見ないとハッキリわかりません。

例えば、単純性股関節炎も、病名として初診時に診断されることが多いですが、本来
「全ての可能性を完全に否定できた時」に付けられるべき『除外診断』病名です。

「これは単純性股関節炎ですね。」
でなく、
「いろいろな可能性を疑って経過を見てみましたが、症状が数日で緩解したので単純性股関節炎だったようですね。」
が、ベターではないかと想っています。

もちろん、骨頭すべり症の初期などは、一見すると単純性股関節炎と似たような経過を辿るので、
「痛みを繰り返すようならすぐに相談ください」など保護者への説明は必須です。

小児は、まだ自分のことを的確に表現できない場合が多いです。
股関節の痛みを『膝の痛み』として訴えることもあります。

「症状が発現したハッキリしたエピソードがなく、発熱も安静痛もなく不思議と痛み始めた小児の股関節痛は、
保護者といつでも連絡を取ることができる状態にして2.3日様子を見る。
数日で症状が緩解すればOK。急な熱発、横ばいor悪化する場合は即医療機関を受診するように伝える。、、、、」
というように、予め細かくルールを決めておくと大きく判断を間違うことはないかと考えます。



お分かりいただけましたでしょうか。
本日のテーマ、「小児の股関節疾患の鑑別で大切なこと」について まとめてみました。



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それでは、今日も張り切っていきましょう。




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