法人を立ち上げるとき、「誰と会社を作るか」という話は多くの人が意識します。 

 しかし、意外と見落とされがちなのが、株の割合=会社の支配権に直結するという点です。

 「信頼していたパートナーに過半数を持たせた」――創業時によくある話ですが、それが後に取り返しのつかない事態を招くこともあります。

 非常に良くあります。多すぎます。これらが原因で会社が動かなくなってしまうことが非常に多いです。

 

実例:エンジェルという名の“悪魔”

 私のセミナーでも度々話したことがあるのですが、資金難の中で現れた救世主のような投資家。エンジェル投資という言葉に安心し、株式を30%渡した。ところが数ヶ月後、追加出資の条件により、議決権の過半数を逆転され、代表も役員も差し替えられてしまいました。

 

 よく見ると、定款には株式譲渡制限もなければ、取締役の選任に特別な要件もなし。 「株を持った人が決める」――法律通りではありますが、創業者にとってはあまりにも苦い結果でした。

対策の基本:株主構成と定款のバランス

  • 出資割合と議決権の設計を見直す

  • 譲渡制限付き株式にする

  • 特別決議要件を定款で定める

 例えばになりますが、これらはすべて、最初の定款の一行で決まります。  

 

 次回は「許認可を受けられない定款の落とし穴」についてお話しします。