芸術の道は厳しい  ~将来、画家で生活できないことは保証する話~ | いたち川のブログ

芸術の道は厳しい  ~将来、画家で生活できないことは保証する話~

いたち川のブログ  (広重「東海道五十三次」から「庄野 白雨」)




いたち川のブログ   (同「蒲原 夜の雪」)



 このような名画は、日本のみならず海外でも、どれほどの人々を感動させ、また、いやしてきたことだろう。

 まさしく名作は永遠なりだ。


 一方、このような素晴らしい作品を見ると、時々、新聞か何かで読んだ、ある話を思い出す。

 それは、今は某大会社の社長が、子どもの頃から絵を描くことが好きだったので、大学進学の際、高校の美術の先生に、東京芸術大学の受験を相談したときの話である。

 

 相談を受けた、その先生は彼にこう答えた。

 「東京芸大が難関といっても、毎年何人かは合格するのだから、何かの拍子に合格することがあるかも知れない。

 しかし、お前が将来、絵を描いて生活していくことはできないということは、自信を持って保証する」

 

 おそらく、その美術の教師は、当人の素質や自身や友人などの経験をふまえての断言であったと思われる。

 当人もその時点で画家の道は断念した。


 デパートなどで、現代作家の絵画がいろいろと販売されているが、値段も加味すると、買いたいと思うものはほとんどない。

 その点、長い時間の試練を経た名画の復刻版の方が、例え小さなサイズでも、印象深く、身近に置きたいと思う。

  

 かくも芸術の道は厳しいのだ。

 そういえば、映画「おくりびと」も、主人公はリストラされたチェロの演奏家だった。