龍馬の最後の場所 ~司馬遼太郎「竜馬がゆく」では~
名作「竜馬がゆく」では、こうなっていた
以前に取り上げた坂本龍馬の最後の場所(「近江屋」)については、危険回避から安全な宿泊先の選択肢があったのではないかと考え、一文を掲載しました。
坂本龍馬がスーパースターになる原動力となった、司馬遼太郎氏の名作「竜馬がゆく」ではどうなっているのかと思い、そのくだりをみたところ、次のようになっていました。
「藩邸に移るか」
と中岡は伊東(※元新選組の副総裁格)が去ったあといったが、竜馬は黙殺した。
伊東の忠告をきいてからあわてて藩邸に身を移すなど、竜馬の一分がゆるさない。
竜馬は妙に頑固になっていた。
「生死は、天命にある。それだけのことだ」
げんに天命であった。
(中略)
佐幕派の狂気は大政奉還後、ほとんど頂点に達したといっていい。
司馬氏は「竜馬は妙に頑固になっていた」とも考えた
藩邸に移るのは一分がゆるさないと書く反面、妙に頑固になっていたと付け加えている。
このあたりは、いろいろ考えをめぐらすことのできる興味深いところだ。
「魔がさす」というやっかいなことが、このとき、坂本龍馬に作用したとも考えられる。
