安藤忠雄建築研究所の外観参拝 ~T通信(10・7・12)~
深夜バスで、横浜から大阪駅に早朝到着後、15分程度歩いて、念願の安藤忠雄建築研究所を参拝した。
周辺は下町的雰囲気で、ビルはやはりコンクリート打ち放しであったが、想像していたほど大きくはなく、威圧感も感じなかった。
外観はそうでも、ビルの中では、現代日本有数のカリスマ、スーパースター安藤忠雄氏が率いる精鋭が、世界各地の施主から注文を受けて、世界が注目する建築物の設計をしているのだと思うと、やはり違うものを感じる。
ところで、安藤氏といえばやはり、「住吉の長屋」が思い出される。
最近、TBS「情熱大陸」でも、同氏は中国で「評判の悪い作品です」と紹介していたが、ああ建築物を街の真ん中に実現化したのはお見事、画期的なことだと、私はつくづく思う。
近所の了解を得るだけでも大変なことだったのではないかと推察する。
例えば、フランク・ロイド・ライトの「落水荘」は、別荘でもあり、経済的な問題をクリアすれば実現できるように思うが、軒が連なる長屋にあのような住宅を建築し、人を住まわせるのは、相当違うことだと感じる。
「住吉の長屋」については、今でも、東大出身の建築家が批判的に取り上げている記事を見ることがある。
エリート建築家を、建築後30年余たっても意識させる安藤氏は、やはり、カリスマだ。
なお、テレビでは東大大学院出の新入生が、研究所の周りを掃除している場面があったが、早朝すぎて、そういう光景を拝見できなかったのは、少々残念だ。
司馬遼太郎記念館(東大阪市)も安藤氏設計によるものだが、安藤氏もまた、司馬氏のように大阪から離れることのないことを望みたいものだ。