私の本の嗜好は今から思うと母の影響を多いに受けています。
子供の頃は文字物が好きだったんですけど、
母はマンガが大好き。
当時は週刊少女漫画雑誌が出てましたので、良く買ってたようです。
時々私に「あげるから」という形で下りてきていたんですね。

そうでない時は、多分、家計が苦しくて買えなかったんだと思います。
立ち読みで済ませてたんじゃないかな……

で、お小遣いをもらうようになった頃、
子供達はマンガを貸し借りしてましたからねえ、
広くたくさんの作品や本が読めるように、
友達が持ってるものがかぶらないように工夫しあってました。

仲良い子は同じ雑誌を同じ日に買って、二人揃って読み合ったりとか。

そーいう人ほど、仲が続かないんだが。

ま、昭和の頃の思い出です。

中学に入った頃もマンガ読みは止まらず、
その頃からアニメを見るようになって、
どんどんオタク道まっしぐらになっていくんですが、
そうなる前の直前頃です。

友人がはいからさんが通るが面白いよ、と
交換日記で教えてくれて
(当時はグループで日記回してましたよ、やってた人、いますか?)
買って読んで。母もそれを読んで。
当時は既に完結してたから、雑誌からではなくコミックスから入りました。
大変テンポ良くストーリーが進んでいき、
ドラマチックな展開でありながらユーモアもあり、
大団円に向かって読者を牽引するパワーはすさまじいものがありました。

で、ながながと書きましたが、このはいからさんが通るにはまったのは
私より母の方でして、当時の小遣いではいくら先を読みたくても
全巻大人買いはできないから、月に数冊ずつがやったとかな、と
思っていたんですが……


大人は大人買いするくらいだから我慢できないのね(大笑)
あっというまに「買っておいたから」と言う母のおかげで
全巻そろいまして、母子共々楽しんでいました。

当時は中学生、母の発病が発覚したのは私が高3のころ。

私が二十歳の年に病没してますので、
今から思うとあっという間の年月だったんだなあ。

母は病室にはいからさんを持って来てくれと何度も頼み、
読み返していたようです。

手元に中学の頃に持ってたコミックス、6巻目を除いて手元に残ってます。
子供の頃持ってた本で今も手元にあるのはほんの少し。
コレクションに等しかったコミックス(とレコード・CD)の大半は
20代、お金に大変困ってた私は可能な限り古本屋に持ち込んで
お米代に替えていたんです。

はいからさんが通るが今も手元に残っているのは、6巻が欠けているので
全巻そろいにならなかったからなんですが、
なぜ6巻がないか。

多分ですが、母が病院で死んで病室を退出するとき、
伯母が病室に残っていた品を全部捨てちゃったんです。
私は彼女が使ってた食器やらなにやらは残しておいて欲しかったのに
死人の品は全部残しておくんだ! しきたりだから!(ほんとですかね?)
と言われて、私はその通りにするしかなかった。
多分、その品の中に6巻が入っていたと思うんですよ。
どこ探しても見つからなかったので多分間違いないんでしょう。

閑話休題

というわけで、20代の頃からはいからさんが通るは通しで読んでません。
話や絵やセリフは暗記できるぐらいまで読んだから寂しくないけど、
久方ぶりに全巻読む機会ができそうです。

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宝塚歌劇の上演に合わせて、全ページ合本になった愛蔵版が出てるんですね。
もちろん買いましたよ。

今晩あたり、昨日の観劇を思い出しながら、
新旧取り混ぜた記憶と戯れましょうかね。

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母が生きていたら、観に行きたがっただろうなあ。
紅緒さんも少尉も作品のイメージそのまま。
宝塚の再現度はすんばらしいです。
観客さんの中には矢絣柄のマスクつけてる方もたくさんいらっしゃり、
いろんな愛を感じる舞台でした。

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座席は前から3列目……
1列目はすべて空席、
新型肺炎対策で1席おきに空席になってまして、
私の前はお客さんがいませんでした……

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こんなに良い席はもう二度と取れないと思う。
なんの障壁もない、ど真ん前に少尉(柚香さん)が立たれている……
紅緒さんもいる……華ちゃんかわいすぎる……

眼福でした……

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何はともあれ、上演再開ほんとうにおめでとうございます。
オケが生でなかったり、出演者さんの数を抑えていたりと
制約は多々ありますが、
もてなしの心と、それを受け止める観客の方の心がすばらしくて、
この場にいられたことに感謝しかありません。


これから観劇される方、どうか楽しまれてください、
舞台観劇の機会が延々と続けられるよう、私たちもできる限りのことはしましょう、尽くしましょう。

もちろん、物販やお食事などでの支援も続けましょう、
大切な場を守り続ける為に。