口腔外科へ行くに当たり、
あなたは歯医者が怖いということなので、
静脈鎮静法を使った治療をしてもらったほうがいいでしょうね、と
かかりつけの歯科で言われました。

何ですか? それ、と伺いましたら、
麻酔とは違うけれど、恐怖心等の感覚を麻痺させて?
治療をうけやすくする処置のことだ、的な話をされました。

いや、正しい説明ではないかもしれない、
先生はそうは言ってないかもしれませんが…
私はそう受け止めまして、
それお願いします、と即答。

この処置は普通の歯科ではもちろんできないので、
それなりの大きな病院へ行かないといけないってことでした。

それもあって、口腔外科の門をたたくことになったわけです。

さて。

歯科と口腔外科の違いって何だろう。
私、今回の処置を受けるまで、
両科があると言うこと自体しりませんでした。

歯は歯科ですべて治療するんでしょ、って認識です。

大学病院等を紹介されると聞いた時も、
規模が大きい病院でないと器具がそろわないからなのよね、
ぐらいにしか思ってませんでした。

調べてみましたら、
虫歯治療やホワイトニング等は歯科が、
それに加えて手術を伴う処置が口腔外科が、
担当するのだそうです。
平たい言い方だけどそんな感じです。

親知らずは程度によっては歯科でも治療が可能です。
生え方次第なんですけど、
私が抜歯を強く勧められた理由は、
表に出てきてないので、
他の歯より低い位置の歯だから虫歯になりやすく、
万が一なってしまったら最奥の歯だから器具がまったく届かない。
よって抜く以外手がないからということでした。

重い腰をよっこいしょと上げて行った新山手病院は、
周りののどかさと閑散とした雰囲気とは裏腹に、
院内は人の往来や患者さんも多く、
言い方が適切ではないかもしれませんが、活気がありました。
院内も清潔ですし、明るい。
照明とか日当たり良くて明るいのではなく、
雰囲気が明るいんですよ。

職員さんや看護師さんもきびきび働いてるし、
病院にありがちな湿っぽさとか陰気さは私は感じませんでした。

自宅の近所に、母が最期にお世話になった、
かなり大きい総合病院があります。
最近、大規模な改修を行っていきなり大病院の門構えになりました。
きれいですし、最新設備も整ってます。
けど…そこって冷たい雰囲気があってよそよそしい。
そこと比較すると、初めて立ち寄った病院の印象は悪くなかったです。

うん、ここの病院、悪くないかも、
いいところ紹介されたな、と足取り軽くなりたかったけど、
やっぱりね、理由が理由だから。

そして、口腔外科に来ているメンツは…

おお、同類がいた。

私と同様に紹介状を持って来た人は
私も含め、節目がちでどよーーんと暗い顔してます、
不景気な顔が並んでます。

そうだよね、明るくなりようがないよね。
何されるかわかんないんですもん、
不安にもなるし、歯科ってテンション下がるんですよ…

しかし、予約取ってるから待ち時間はほぼゼロ。
あっという間に番が回ってきて、呼ばれます。

まずは歯のレントゲン撮影。

撮影後に呼ばれ、診察台で待つことほんの数分。
担当の先生がいらっしゃいました。

私を受け持って下さったのは、
うーん、お名前出してしまってもいいですよね、
倉知先生です。

多分、検索かけると、評判やら経歴が
あっという間にわかってしまいます。
私が見た範囲では悪い話はほとんど、まったくきかれません。

おお、これはラッキー。
幸先がいい。

まず、口の中を見てもらい、
紹介状に書かれている内容の確認をしました。

紹介状の内容はこんな感じ。

・歯科での抜歯は難しい親知らず
・露出してる歯と潜ってる歯すべての治療が必要
 指示された本数は3本

 Σ(・□・;)
 私、2本ってきいてたんだけど、3本なの?????

・歯科治療に難のある患者であるため、静脈鎮静法での治療を勧める

おおむね、歯科できいた通りのことです。

そして、抜歯に至る手順も説明されました。
ほぼ、歯科できいた通り。
もっと詳細に、どういう処置をするかについて
懇切丁寧に説明を受けましたが…

やっぱり切って削って切って砕いて削って縫うわけです。

大がかりなのに代わりはないじゃないの。

そこで担当医はおしゃいました、
当院では静脈鎮静法は行っていない、
これを行うには麻酔医が必要で、
同等の処置は全身麻酔をかけて手術をすることになります、と。

ぜ、全身麻酔ですか、
手術ですか!!

えええーーー

それは大事になっちゃうんじゃ?

実は、実父も横向き親知らずで、
大学病院で手術を受けてます。
入院もしてます、今からうん十年前のことです。

抜歯で入院なんて…
ホントにあるんだろうか…

いや、あるんだよ。

まさか、私も?
マジでか?

当方の顔面はおそらく蒼白、こわばっていたことでしょう…

(この項続きます)