~告白~
 
 
 
 
 
 
11月、修学旅行なのに
彼女はいけなかった。
 
 
他の女子にきくと、
身体を壊して
行けなくなったらしい。
 
 
お土産をたくさん
買ってってやろうと思った。
同じ野球仲間から
「おまえの事好きなんやって!!」
と聞いた。
 
 
彼女が俺のこと好きなんだと。
普通に嬉しかった。
いつも応援に来てくれるし
可愛いし‥、でも照れ臭かった。
「俺は今は野球が恋人やねん」
なんて言ってみた。
 
 
修学旅行から
帰ってきた次の日、
彼女が入院している
と先生から聞いた。
 
 
心配だったけど
練習休むわけにいかないし
とにかく彼女の無事を祈った。
 
 
12月になって
彼女が退院して
学校にやってきた。
俺の中で彼女の存在が
最も気になった。
 
 
 
好きなのかもしれない…
 
 
 
そうおもったけど、
やっぱり野球をやっている
自分が許さなかった。
でもあっさり彼女が
 
 
『私と付き合ってください』
 
 
と言ってきたから、
とてもびっくりした。
突然だったし、戸惑った。
断ろうかとも思った。
だけど、彼女がいる
と何だか安心する…
やっぱ好きな気持ちには叶わん
 
 
はれてそこから、
俺たちは付き合いはじめた。
 
 
冬の練習…
寒いのにキャッチボール、
朝早くからのランニング‥
3時くらいまで続いて、
自転車で彼女に
会いに行くのが
俺の日課だった。
 
 
いつも公園のブランコに
座って待っててくれる
彼女が好きだった。
 
 
いつか俺が
将来は野球の監督になりたい
って言ったとき彼女は
 
 
『じゃあ私は
野球の監督と生徒が住む
寮母さんになりたい』
 
 
といった。
彼女が野球を好きになったのは、
俺が野球やっているから
だと言ってくれた。
そんな毎日が楽しかった。
 
 
1月、2月…
3月になっても
彼女は俺を支えてくれた。
でも、なんで身体が悪いのか
理由は教えてくれなかった。