4月23日 相模原市
相模原市と町田市の都県境。以前、ここで出会った方に、この場所にヤマドリがいることを聞いたことがあったのですが、にわかに信じられませんでした。
この日、他の被写体を待って、静かにここにたたずんでいました。
すると、先ほどすれ違った女性ハイカーが戻ってきました。藪ではガサガサ音がしています。女性は、ちょっと青ざめた表情で駆けながら、「これって何がいるかわかりますか?」と私に尋ねてきました。藪のガサガサ音におびえているようでした。
「ガビチョウだと思いますけどね・・・」と私。彼女は、ガビチョウがどんな生物なのかわからない様子で逃げるように去っていきました。その時、「プー」という音がしました。私はとっさに、女性がおならをしたのだと思いましたが、ちょっと違うようにも思えました。
私は、「ガビチョウ」と答えたものの、その確証はあまりありませんでしたので、女性がいなくなった藪に近づき、その正体を確かめようとしました。
すると、「フー」「フー」という荒い息遣いが聞こえてきました。
あ、これはガビチョウじゃなくて、動物だな。私は、そう思いました。
そして、「プー」という、キジバトが求愛する時のような声も聞こえました。「あ、あの音はおならじゃなかった💦」とその時わかりました。
イノシシかアナグマか・・・。私はそう思ったのでした。
正体を確かめようと、ガサガサという音のする藪の中を目に力を入れて覗き込みました。
と・・・茶色の羽毛と長い尾が見えました。
ヤマドリだっ!
なんと、哺乳類だと思っていたのは、ヤマドリだったのです。しかも、普段なら、ダッシュでバタバタと羽ばたいて逃げるヤマドリですが、あまり逃げません。藪の中なので安心しているのでしょうか。しかし、谷戸の右側にいるヤマドリは、谷を越えて左側に飛んでいきたいというようなオーラを醸し出していました。
静かにカメラを構えます。
バタバタバタ…谷戸の対岸に向かって飛び出しました。
慌ててシャッターを押しますが、とらえるのがやっと。こんな写真になってしまいました。
ヤマフジが垂れ下がる藪に飛び込んでいきました。
あきらめきれずに近づくと、まだヤマドリは移動していません。
藪が濃い中ですが、オスの顔を撮ることができました。
その後、ヤマドリは静かに山を登っていきました。
今回、ヤマドリが野生動物並みの「フー、フー」という荒い息遣いにも聞こえる声や、「プー」というキジバトのような声を出すことがわかりました。そして、私のフィールドである標高約200mほどの場所でも、ヤマドリが生息していることを知りました。驚きの連続でした。